「人間学のようなテーマ性もある」
初版からちょうど100年後の2016年、同書を上巻『自己修養編』と下巻『人生活学編』(いずれも翻訳・奥野宣之)に読みやすく2分冊した致知出版社は9日、新紙幣の発表を受けて公式サイトを更新。月刊誌『致知』2011年12月号に掲載していた、渋沢栄一の子孫でコモンズ投信社長(当時)の渋澤健氏と、明治大学文学部教授の齋藤孝氏との対談記事を抜粋・編集して掲載する力の入れようだ。
担当者は10日、取材に「昨日だけで書店さま10店舗ほどから、フェアで『論語と算盤』を出したいということで注文を頂きました」と話す。対応できるだけの在庫があるため、現時点で重版は決めていない。同書について「『論語』の教えをどうやってビジネスに生かしていくかが書かれています。人間学のようなテーマ性もある1冊ですね」と勧めている。
実は直近でも同書が注目されたことがあった。2018年10月のプロ野球ドラフト会議である。史上最多タイの4球団から1位指名を受けた末、中日ドラゴンズに入団した根尾昂・内野手が愛読書のひとつとして『論語と算盤』を挙げていたことが報じられたためだ。致知出版社の担当者は「根尾さんが読んでいるということで、その時も注文が相次ぎました。今回の新紙幣の発表は、その時以来の注文が届くかもしれません」と話している。
(J-CASTニュース編集部 青木正典)