東京・新橋では新聞号外の奪い合い、また、大手飲料メーカー「コカ・コーラ」が「令和」ラベルの無料サンプルボトルを2000本配布するなど、31年ぶりの「新元号」発表に、列島中が沸き返った新元号「令和」の発表から1週間あまり。
ネット上では「令和」をモチーフにした商品が多数、販売されている。
文字自体の使用はOKだけど...
ところで、新元号「令和」は、漢字で書く際には誰が使ってもいい。しかし、菅義偉官房長官が掲げた「書」による「令和」は...? ネット上を調べると、Tシャツやお菓子の印字など、あまたの商品に「書」が印字されている画像が出てきた。
確かに、自筆で書く「令和」は、誰が使っても問題ない。しかし「書」の「令和」となると、これは1つのデザインともいえる。これを使用した商売ってどうなんだ? ということで、J-CASTニュースは、監督府庁に取材をかけた。
まず取材をしたのが、特許庁。文字通り「特許」「実用新案」「意匠」「商標」といったものの確認や裁可、許諾を行うところだ。
同庁広報によると、
「少なくとも、同庁には関係ありませんね。仮に『商標』で申請があったとしても、裁可するには半年以上はかかりますので、現時点ではお答えできません。『著作権』などを扱う文化庁に聞いてみては?」
ということで、今度は文化庁広報を取材。すると、
「こちらも『著作権』としての管理は、現在のところいたしておりません。発表された内閣府に確認された方が...」
ふぅ~。平成も残すところ約3週間。新時代を前に、こんなにたらい回しになるとは...。
ということで、気を取り直して内閣府官房総務課へ電話してみた。すると、
「(菅官房長官が掲げた)『書』はこちらで保管しています。おっしゃる通り『文字』と『書』の『令和』は、意味合いが違いますよね。問い合わせでも『書を使わせてほしい』という話があるのですが、それは個別に判断できるものではなく、一切お断りしております。しかし、黙って使用しているケースが散見されるのも事実です。しかし、内閣府は捜査機関ではないので、これを取り締まることはできません」
つまり、黙認...ってこと? と聞くと、
「実体的にはそうなりますね...」
どうやら正直に内閣府へと聞いた場合は「NO」だが、ダマテン(無断)で使った場合は「調査できない=黙認」となるようだ。
弁護士の見解は?
しかし「グラディアトル法律事務所」北川雄士弁護士によると、
「内閣府が『黙認する』というような話ですが、『書』も美術品として『著作物』となり、作成された時点で『著作権』が発生しているものと考えられます。これを何らの許可もなく使用することは、やめた方がいいでしょう」
と警鐘を鳴らす。また、
「話は変わりますが『改元』に便乗してお金をだまし取ろうとする『令和詐欺』とも言えるような事案が増えているようです。皆さまも、気を付けてください」
う~ん...。「正直者がバカを見ない」という新時代となってほしいものだ。