巨人・沢村拓一投手(31)が2019年4月6日のDeNA戦で先発し、3回0/3を3安打4失点で降板した。14年9月28日のDeNA戦以来、1651日ぶりの先発登板となったが、4回に連続四球からホセ・ロペス内野手(35)にフォークを左翼線にはじき返され2塁打。同点とされたところで降板となった。沢村は7日に出場選手登録を抹消され、今後は2軍での調整となる。
昨シーズンまでストッパーだった沢村は、春季キャンプ終盤に原辰徳監督(60)から先発転向を言い渡された。少ない時間の中で先発として調整してきたが、4回もたずに無念の降板。原監督は一定の評価をしながらも今後の課題として、先発投手としての「スタミナ」を挙げた。果たして沢村の先発転向は失敗だったのか。巨人OBで現在、船橋中央自動車学校に勤務しながら野球解説者を務める林昌範氏(35)にJ-CASTニュース編集部が聞いた。
「もったいないという印象でした」
林氏はまず沢村の投球内容について「もったいないという印象でした」とした上で次のように指摘した。
「調整期間が短いなかで、沢村選手がどのような投球をするか注目していました。沢村選手は実績があり、だれが見ても真っすぐは一級品で球威があります。しいていえば、変化球のコントロール。その一点だと思います」
試合の立ち上がりの1回、先頭・神里にいきなり2塁打を許し、3番ソトの3ゴロの間に1点を献上。1651日ぶりの先発マウンドは不安のスタートとなった。4回には先頭の4番・筒香、5番・宮崎に連続四球を与え、続くロペスに同点の2塁打。打者15人に対して3安打3四球と、制球に苦しみ、自滅する形での降板となった。
沢村は試合後、敗因について「4回の先頭を追い込んでからの四球がすべてですね。自分の意図するボールを投げ切れなかった」と振り返った。4番・筒香を1-2と追い込みながらも2球連続の直球勝負で2つのボールを与えて四球。この四球で精神的に不安が生じたのか、続く宮崎には3球連続でボール。結果、連続四球でピンチを広げた。
「チームの現状を見ると、沢村選手は先発でいく」
林氏は「スピードは落ちていないし、投げるスタミナも十分にあると思います。今後、必要になってくるのは緩急の差がある変化球です。どのバッターも真っすぐのタイミングで打ちにきています。変化球に直球との緩急差がないと、真っすぐのタイミングで待っているバッターでも当たってしまう。変化球に緩急差があれば、あの真っすぐならば空振りが取れます」と話す。
1651日ぶりの先発のマウンドで沢村は結果を残すことができず、しばらくは2軍での調整となるが、中継ぎ陣に安定感を欠く今、今後の沢村の起用はどうなるのだろうか。林氏は今後の沢村について言及した。
「チームの現状を見ると、沢村選手は先発でいくと思います。沢村選手は先発、セットアッパーどちらも出来ますが、今の段階では先発が4枚しか確定していませんから、沢村選手が先発に戻ってくれば先発陣に厚みが増し、首脳陣としてはありがたいと思います。チームが優勝するためには絶対に必要な選手ですので、今後の活躍に期待しています」