日ハムの斎藤佑樹投手(30)が2019年4月4日の楽天戦で今季初先発し、1回3分の2を投げ3安打3失点で初黒星を喫した。
1回、先頭打者・田中和基外野手(24)に中前打を許すと、田中がすかさず2盗。続く2番・茂木栄五郎内野手(25)には適時二塁打を。初回、わずか12球で先制点を許した。斎藤は5日のプロ野球公示で出場選手登録を抹消され、今後は2軍での再調整となる。
「オープナー」としての役割果たせなかったが...
4日の試合で日ハムはMLBで流行の兆しを見せる、先発が短いイニングを任される「オープナー」方式で斎藤を先発のマウンドに送り込んだ。主にリリーフ陣が先発を務める「オープナー」の役割となるのが打者一巡までを抑えること。その後、本来の先発にマウンドを託すものだが、斎藤は「オープナー」としての役割を果たせずに降板となった。
一昨年まで日ハムで9年間コーチを務めた田中幸雄氏(51)は、J-CASTニュース編集部の取材に対して「斎藤選手への首脳陣の信頼、期待はまだあると思います。そうでなかったら1軍で先発することはまずありません。確かにここ数年、結果を出せずにいますが、決して投手ひとりの問題ではなく、試合の流れもあります。野手とのバランスもありますし、結果だけでは評価できないところもありますから」と話した。
斎藤は12年の5勝を最後に勝ち星数が減少。13年以降の6年間で挙げた白星はわずか4つで、1軍と2軍の間を行き来するなか、2軍生活が長く続いた。この2軍生活でフォークとカットボールを習得し、1軍の打者相手に打ち取る場面も見られたが、ここまでは結果を残せていないのが現実だ。
「一時期、インサイドを攻めることが...」
田中氏は「ピッチャーは決してスピードだけではありません。打ち取るための術をどう覚えていくか。斎藤選手はどこでもやると言っていますが、やはりタイプ的にみて先発か中継ぎでしょう。先発に返り咲くには、中継ぎでコツコツと結果を出すしかありません。なかなか結果が出ずに自信を失っているかもしれませんが、私は期待しています」と話した。
2軍監督時代、斎藤を指導した経験を持つ田中氏は、斎藤の性格についても言及した。
「斎藤選手は素直で優しいところがあるので、一時期、インサイドを攻めることが出来ませんでした。本来ならばインコースを攻めてバッターに恐怖感を与えないといけないのですが、アウトコース主体のピッチングになっていた」
栗山英樹監督(57)は4日の試合後、「こういう結果になったのはこっちの責任」と話しており、斎藤を責めることはなかった。田中氏は「今は結果を出すことが何よりも大切。本人もそれは分かっていると思います」と締めくくった。