全日空(ANA)は2019年4月5日、最新鋭中型旅客機のボーイング787型機の派生型、「787-10」を羽田空港で報道陣に公開した。
787-10の全長は68.3メートルあり、標準型の787-8(全長56.7メートル)、全長が長くなったタイプの787-9(62.8メートル)よりもさらに長い。全長は国際線で主力の777-300ER型機(73.9メートル)に及ばないものの、より多くの乗客を乗せられるのが特徴で、今後成長が見込まれる東南アジア路線で活躍する。
「世界最大」のある設備とは?
787-10は18年にシンガポール航空が世界で初めて導入し、エティハド航空(UAE)、ユナイテッド航空(米)が続いている。日本の航空会社が787-10を導入するのはANAが初めて。ANAの787-10の座席数は294席で、ビジネスクラス38席、プレミアムエコノミー21席、エコノミークラス235席を備えた。777-300ER型機の最大264席を上回る。787は767や777よりも燃費がよく、室内の湿度を高く保てる分乾燥が少ないため、乗り心地が良いことで知られている。
内装面では、プレミアムエコノミーとエコノミークラスに新型座席をつけた。モニターのサイズはそれぞれ15.6インチ、13.3インチで、787-9(11インチ、9インチ)と比べて大幅に大きくなった。ANAでは、両クラスにつくモニターとしては「世界最大」だと説明している。
今回お披露目された初号機は3月30日深夜、米ボーイング社の工場から羽田空港に到着したばかり。20年度末までに計3機が納入される予定だ。乗客を乗せた運航は4月26日の成田-シンガポール線で始まり、7月1日には成田-バンコク便にもお目見えする。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)