2019年4月3日に放送された「有吉大反省会」(日本テレビ系)に出演した、元AKB48の島崎遥香さん(25)の「キャラ変」が視聴者の間で話題だ。
同番組は、これまでの行為を「反省したい」とする芸能人が出演し、司会の有吉弘行さんからダメ出しを受け、最後に反省を示す「禊」を行うことで有名。この日、島崎さんはこれまでに「テレビや雑誌のインタビューで『男に興味がない』と答えてきたが、それはウソだったこと」を反省しに番組に出演したと宣言。スタジオ内ではどよめきが広がった。
「男にモテたくて仕方がない」
AKB在籍時の「ぱるる」こと島崎さんといえば、2015年11月には自身のフォトブック「ParU」の発売記念に女性限定の握手会を開催するなど、AKBメンバーの中では女性ファンをターゲットに活動してきた。ただ、その一方で、そんな島崎さんに注目する男性ファンも多く、通常の握手会では島崎さんにそっけない態度を取られるも、それを「塩対応」と名付けて喜ぶ者が多かったのも記憶に新しい。
その島崎さんだが、番組中には「男に興味がないのはウソ」の発言通り、「色んな人から告白されてみたい」「ネットで『男受け メイク』『男受け 髪型』って検索している」など、それこそ「男受け」を狙った発言が続々。有吉さんも大笑いするなど、その豹変ぶりに驚いた様子だった。あまりのキャラの反転ぶりに、さぞかしネット上は荒れているだろう......と思いきや、意外なことに、島崎さんの「キャラ変」を受け入れたとする声が続々。「人間味が見えてきて良い」などと高い評価を付ける書き込みも見られる。
発言が180度変わってしまえば、例えそれが好ましい変化であってもすぐには信用されないのは当たり前のこと。特に、島崎さんの場合は男性への「塩対応」はキャラの根幹をなすものだった。新たな一面を見せるどころではなく「キャラの反転」という「異常事態」にもかかわらず、豹変を良しとする声が上がるのはなぜなのか。経営コンサルタントで心理学博士の鈴木丈織氏は以下のように分析する。
キャラが反転しても、一度抱いた「好意」は続く
「人間の感情の1つである『好意』には『惰性』があるからです。日常でよくある例は、すでに冷めてしまっているにもかかわらず、結婚もせずにダラダラと交際を続けるカップルが典型例です。それと同じで、人間は、いったんは好意を抱いた芸能人に対しては、例えキャラクターが正反対になったとしても好意を抱き続けます。その芸能人が犯罪者にでもならない限り、嫌いになることはないのです」
加え、これとは別に「変化への耐性は男女で異なる」という男女差も影響するという。
「男性は好意の対象の心変わりを非常に嫌いますが、女性にはある程度の耐性があります。また、女性は男性よりも変身願望が強いので、豹変した島崎さんを見て、『自分も変われるのではないか』という幻想を抱きます。つまり、今回の島崎さんのキャラの反転によって、『塩対応』を好んでいた男性ファンは脱落するでしょうが、その一方で、島崎さんには基礎的な支持層の女性ファンも存在する上、新たな開拓も可能。さすがに、以前は『塩対応』をしていたことから新たな男性ファンの獲得は難しいでしょうが、それでも、差し引きの結果でファンが増えれば儲けものです」
思えば、かつて「こりん星からやってきたお姫様」という「設定」だったタレントの小倉優子さん(35)も、2010年2月に「こりん星はなくなりました」と突如宣言。その後は結婚・出産・再婚を経て、今や立派なママタレである。芸能人の「キャラの反転」は、自らのステージを上げるための「通過儀礼」なのかもしれない。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)