読売新聞が報じた「都心の銀座地区と臨海部」を結ぶ新しい地下鉄路線について、ネット上で注目が集まっている。特に「臨海部」にある東京ビッグサイト(東京国際展示場、江東区)で開かれる恒例のコミックマーケット(コミケ)に絡めて反応する声が相次いでいる。
この新地下鉄の構想自体は以前から明らかになっていた。今回は読売新聞が「都は(新地下鉄を)整備する方針を固めた」と報じた一方、都では「そうした事実はない」と否定している。整備に向けて実際に動きだすかどうかはともかく、ツイッターでは「オタクに嬉しい路線だぞ!」などと盛り上がっている。
東京都「『都が方針を固めた』という事実はありません」
2019年4月3日付の夕刊1面(東京最終版)トップで、読売新聞は「五輪後に新地下鉄」「銀座‐築地‐豊洲 都、住民増に対応」などの見出しをつけ、「東京都は、都心の銀座地区と臨海部とを結ぶ新しい地下鉄路線を整備する方針を固めた」と報じた。10~20年以内の開通を目指すことや、検討している区間は、「銀座地区から東京臨海高速鉄道りんかい線の国際展示場駅までの約5キロ」であることなどを伝えている。
J-CASTニュースが翌4日、東京都の都市整備局に読売報道について確認すると、「報道は承知しておりますが、そうした『都が方針を固めた』という事実はありません」との回答だった。
都心部と臨海部を結ぶ新地下鉄の構想については、以前から報道されていた。たとえば3月5日の日経新聞(ウェブ版)では、「東京都中央区、地下鉄新線整備へ調査」の見出しで、中央区が「銀座から(編注:臨海部の)江東区有明地区」までのルート構想を打ち出し、国や都に実現を働きかけており、2014~15年度にも調査をしたが、19年度にも改めて調査を実施すると報じていた。
「オタクに嬉しい路線だぞ!」
今回の読売報道を受け、ツイッターには4月3日から4日にかけ、新地下鉄とコミケを関連付けるつぶやきが相次いだ。検討区間の片方の端が「国際展示場駅」で、コミケ会場として名高い東京ビッグサイト(東京国際展示場)と関係が深いからだ。
「コミケ終わりにそのまま秋葉で後夜祭になだれ込めるという夢の路線」
「これ完成したら、コミケ期間中大量のオタク達でごった返す可能性大」
「オタクに嬉しい路線だぞ!」
といった声が相次いでおり、中には
「これは『コミケ線』と命名しよう」
「これ絶対コミケ線って愛称で言われるな」
といった声も出ていた。さらには、路線名について「偉い人」(編注:新地下鉄の運営側の幹部などをイメージか)が「東京臨海地下鉄線」にしようと発言するものの、「わかりにくい」との声が出て、「オタク」が「『コミケ線』でいいやん」と提案し、「偉い人」が声を失う、といった展開を予想してみせるツイートもあった。