選挙に行こうと言われても、「誰に投票するか」以前に何が対立点なのか分からない――こんな若い世代を対象に、「自分がいる地域の選挙争点」をまとめた統一地方選挙特設サイトが2019年4月2日、オープンした。
開発したのは、学生らでつくる企業PoliPoli(神奈川県鎌倉市)。J-CASTニュース編集部は3日、代表の伊藤和真さん(20)とデザイン担当の山田仁太(じんた)さん(20)=ともに慶応義塾大学3年生=に話を聞いた。
投開票日や選挙の争点が表示
サイトを開くと、「あなたのまちの選挙の争点が5分でわかる!」の文字。北海道・東北、関東、中部、関西、中国、四国、九州と7ブロックに分かれており、各ブロックのそれぞれの都道府県名をクリックすると、選挙の争点が画像付きで表示される。
例えば東京都を開いてみると、選挙区が細かく表示される。J-CASTニュース編集部の本社がある千代田区のページを開くと、区議選の投開票の日付に続き、子育て・福祉・危機管理・環境対策と4つの争点のタイトルや画像が表示される。子育てなら「保育士の人材確保や定着率の向上が課題」、福祉なら「障害や社会的ハンデを持った人にとっても住みやすい環境づくりに取り組む必要があり」などと内容が記されている。
デザイン担当の山田さんは「日本全体が関わっていると思うので、日本地図から選べるところを意識した」と工夫した点を明かした。選挙の争点をわかりやすく見せようと、画像もふんだんに使っている。
「誰に投票していいか以前に、自分の地域の課題がわからない」
PoliPoliは、身近な課題について政治家らと議論ができるアプリ開発を主に手掛けているIT企業だ。代表の伊藤さんによると、特設サイトの製作期間は、2か月ほど。「僕らの世代は誰に投票していいか以前に、自分の地域の課題がわからない」―。そんな思いから、若者と政治を近づける活動をしている学生団体「ivote」の協力を得て開発したという。争点の内容や課題については、「ivote」にまとめてもらった。「基本的にファクトベースで、中立的な情報で作りました」と気を付けた点に触れた。
サイトの対象は、10代や20代を想定。伊藤さんは「こういう課題があるからどういうことができるかと、みんなが考えられたらうれしい」と呼び掛けていた。
(J-CASTニュース編集部 田中美知生)