東邦の二刀流・石川、適性は投手?野手? プロ関係者の見解は...

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   第91回センバツ高校野球大会決勝が2019年4月3日、甲子園球場で行われ、東邦(愛知)が習志野(千葉)を6-0で下し、30年ぶり5度目の優勝を飾った。東邦は平成元年(1989年)大会で優勝し、平成最後となる今大会でも優勝。センバツ大会歴代トップとなる56勝目で優勝を決めた東邦は、優勝回数でも中京大中京(愛知)を抜き歴代トップ。平成最後のセンバツは東邦の記録尽くめの大会となった。

   投打にわたって東邦の柱となったのは、主将の石川昴弥投手(3年)だ。決勝では1回に習志野の山内翔太投手(2年)からバックスクリーン右に特大の本塁打を放ち、自らのバットで先制した。5回にはエース飯塚脩人投手(3年)の123キロのスライダーを右中間スタンドに叩き込みダメ押し。投げては、9回97球3安打で抑え、2塁を踏ませない投球でほぼ完ぺきに抑え込んだ。

  • 高校野球の聖地・甲子園球場
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「打った瞬間にいったと思いました」

   今大会No1スラッガーの呼び声が高かった石川は、3本塁打8打点をマークし前評判通りの打撃力を見せた。なかでも決勝の先制特大アーチは、「打った瞬間にいったと思いました」と自身が振り返るように、110キロのスライダーを完ぺきにとらえ、高校生離れしたパワーも見せつけた。東邦の森田泰弘監督(59)は、「今日は一人で投げて打ってやってくれと言ったのですが、たいしたものですね。その通りにやってくれました」と手放しで称賛した。

   石川はかねてからプロの球団から注目されており、今秋のドラフトの目玉のひとりとされる。今大会、バックネット裏にはプロの各球団のスカウトが熱視線を送ったが、3ホーマーを放った石川の評価は急上昇しているという。球団関係者によると、現時点のスカウトの評価は野手としてのもので、投手に関しては今夏までの成長次第という。

   石川は高校入学当初は内野を任されており、遊撃手、三塁手として試合に出場していた。2年の秋からエースとしてマウンドに上がり、投手兼内野手としてプレーしてきた。守備練習では三塁につくこともあり、フィールディングには定評がある。この日の決勝でも1回無死1塁の場面で習志野の犠打をうまくさばき、ダブルプレーに仕留めてピンチの芽を摘んだ。

「大型内野手として期待出来る」

   プロの球団関係者は「打撃に関しては頭一つ抜きん出ている。なんといってもリストが強く、スイングのスピードが他の選手とは全然違う。体格的には少し線が細い感じもするが、185センチの上背は魅力的ですね。打撃も必ずしも力任せのものではなく、打球に逆らわない打撃ができる。まだ成長段階なので、これから筋力がつき、体重も増えてくるでしょうし、大型内野手として期待出来る」と野手として高く評価する。

   また、プロでの二刀流に関して前出の関係は否定的な見解を示した。「高校生のレベルではコントロールがいいし、変化球も切れる。それでも現時点で投手としてプロでやるのは現実的ではないでしょう。投げ方も野手のクセが抜け切れていない感がありますし。ただ、今大会の経験で夏までの間に大きく伸びる可能性はある。まだ伸びしろはありますし、高校生というのは2、3か月の短期間で急速に成長しますから」と指摘した。

   石川の父・尋貴さんは、1989年優勝時の東邦野球部のメンバーで、親子で選抜優勝を達成。「今は夢のような時間です」と勝利の余韻にひたる石川。プロ注目の二刀流には、早くも春夏連覇の期待がかかり、その先にはドラフトが。石川の今後から目が離せない。

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