新元号「令和」を伝える新聞各紙の紙面では、読売新聞の「独自路線」が際立った。発表直後の2019年4月1日の夕刊では各紙が1面トップで新元号を伝え、多くの社が新元号を発表する菅義偉官房長官の写真を使った。そんな中で、読売新聞の1面トップを飾ったのは、直後に行われた安倍晋三首相の会見写真(東京本社最終版)。菅氏の会見写真は2面に掲載された。
これは必ずしも偶然ではなかったようで、翌4月2日朝刊でも、全国紙では読売新聞だけが安倍氏の会見写真を1面トップにした。
読売だけ前文で首相会見に触れる
1日夕刊の時点で、読売は1面の写真以外でも「独自路線」だった。朝日、毎日、日経は1面の前文(リード文)で新元号の出典、施行までの手続きなどを説明する中で、読売新聞は唯一
「安倍首相は決定後に記者会見して首相談話を発表し、新元号に込めた意味などを説明した」
と安倍氏の会見に触れた。2日朝刊の最も目立つ見出しは
「令和」(朝日)
「新元号 令和」(毎日)
「『令和』次代へ」(読売)
「令和」(日経)
といった具合で、読売だけ方向性の違いが目立つ。
東京本社管内で夕刊を発行していない産経新聞は、2日朝刊で「新元号『令和』」の大見出しとともに、菅氏の写真を中央に配置。この日の産経新聞の紙面には安倍氏の単独インタビューが掲載されたが、掲載した産経新聞ですら、扱いは1面の2番手だった。