巨人、広島3連戦で「うれしい誤算」 林昌範氏が注目した2人の投手とは

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   プロ野球のセ、パ公式戦が2019年3月29日、一斉に幕を開けた。セ・リーグの注目カード、広島-巨人の開幕シリーズは、広島のホームであるマツダスタジアムで3試合が行われた。広島・大瀬良大地投手(27)、巨人・菅野智之投手(29)の両エースの投げ合いとなった初戦は、広島が5-0で先勝。続く第2戦目を5-2で取った巨人が、第3戦で逆転勝利を収め、開幕カードを2勝1敗で勝ち越した。

   5年ぶりのV奪回へ幸先のよいスタートを切った原巨人。春季キャンプからオープン戦にかけて不安視されていた中継ぎ、リリーフ陣は開幕シリーズで、どのように機能したのか。ローテーション投手の安定度は?今シーズンの行方を左右する広島との開幕3連戦。巨人、日ハム、DeNAで投手として活躍し、現在、船橋中央自動車学校に勤務しながら野球解説者を務める林昌範氏(35)はどのように見たか。J-CASTニュース編集部が聞いた。

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不安が指摘される中継ぎ、リリーフ陣だが...

   エース菅野を擁して臨んだ初戦は、菅野が7回1失点に抑えたものの、後を継いだ大江竜聖投手(20)、宮国椋丞投手(26)が崩れて8回に4点を失った。続く第2戦目は先発テイラー・ヤングマン投手(29)が6回1失点の好投を見せ、吉川光夫投手(30)、中川皓太投手(25)と繋いでライアン・クック投手(31)が締めて今季初勝利。第3戦は先発・畠世周投手(24)が5回3分の2を投げて2失点。その後は細かい継投策で広島打線を抑え込んだ。

   この開幕シリーズで林氏の印象に強く残ったのは、第3戦に先発した畠投手だという。ルーキーイヤーの2017年、畠はシーズン終盤にローテーション入りして6勝4敗。昨シーズンは、キャンプ中に痛めた腰の影響で大きく出遅れ2勝にとどまった。プロ3年目にして開幕ローテーションに抜擢され、その投球に注目が集まっていた。

   林氏は「菅野選手、山口選手、メルセデス選手は経験も実績もあり、一年を通してローテーションを守る力を持っています。残り3枚のヤングマン選手、畠選手、高橋選手に注目していましたが、畠選手の第3戦目の内容は首脳陣にとってうれしい誤算だと思います。畠選手の出来次第では、中継ぎ、リリーフ陣にかかる負担も大きく違ってきます。今シーズンは、岩隈選手の離脱、澤村選手がファームでの調整を余儀なくされるなど、前評判では中継ぎ、リリーフ陣の不安が報じられています。そのような中でローテーションの一角として期待される畠選手が結果を残したことはチームにとっても大きいと思います」と指摘した。

「勝負強さ」光ったもう一人の投手は

   また、林氏が「うれしい誤算」として挙げる投手が、第3戦目で勝利投手となった中川だ。第2戦目に続いての連投となった中川がマウンドに上がったのは、8回無死1、3塁の場面。代打・小窪哲也内野手(33)を遊ゴロ併殺。1点を失ったものの、続く会沢翼捕手(30)を渾身の146キロ直球で空振り三振に仕留め、広島の反撃の流れを断ち切った。

   林氏は「初戦で大江選手が本来の投球ではなかったので、第2、3戦でクックに繋ぐまでの7回、8回をどうするのか注目していましたが、中川選手は、畠選手同様にうれしい誤算となったと思います。開幕したばかりでどのチームも手探り状態で、勝ちパターンが決まっていません。そのなかで中川選手の好投、勝負強さはチームに勢いを付けると思います。この1カ月、中継ぎは中川選手を中心に回っていくと思います」と見解を示した。

   今後、中川が中継ぎの軸になっていくとみる林氏は、開幕戦で結果を残せなかった大江の次戦が重要となってくると指摘する。「私も経験してきましたが、シーズン最初の登板は非常に緊張します。開幕戦となればなおさらです。大江投手はオープン戦で完璧な投球を見せましたが、開幕戦では自分の投球が出来ませんでした。改めて1軍は甘くはないと思い知らされたと思います。次の登板も色々と注目されると思いますが、それを乗り越えてこそ1軍の選手。次戦で抑えれば自信につながると思います」と話した。

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