決勝は緊迫の「タイマン」戦
そして決勝。ルールは早押しのないボードクイズだ。7ポイントで勝敗を決める。問題を最後まで聞いて書く、まさに知識のガチンコ勝負。徳久さんと石川さんの一騎打ちとなったこの戦い、1ポイント差で石川さんがリードを保ち、6対5でリーチをかけた。
「クニオ・ナカムラ」。日系のパラオ大統領を答える問題で徳久さんが追いつく。どちらもリーチとなった後は、「千畳敷駅」を「千畳敷カール駅」、「ニル・アドミラリ」を「ニル・アドミラル」と答えて勝利を逃した徳久さんに対し、石川さんも「ガブリエルのラッパ」を「ラファエルのラッパ」と答えるニアミス。この展開には会場もそろって固唾を呑む。そして最後、孟子の唱えた性善説の 4つの心のうちの1つを問う問題で、徳久さんが「惻隠(そくいん)」と答えて正解。初代の王者に輝いた。
優勝した徳久さんに勝因を尋ねると、「なんでしょうね(笑)。最後のボードでニアミスが続いた時には焦りました。ああいうのが続くと折れちゃうことが多いのですが、諦めなかったことがいい結果に繋がりました」と激戦を振り返った。
ほぼ1年かけて実施されたこのシリーズ、問題作成を担当した田中健一さんも、「まさかここまで接戦になるとは思ってもいなかった」と言うほどの結末。
主催の日本クイズ協会代表理事・齊藤喜徳さんは、「クイズの普及と地位向上を目的とする協会の狙いは、この大会でかなり実現できたと思います」と満足げ。
「第2回の今年も、海の日(7月15日)に予選を実施する予定です。エントリーは5月上旬から開始する予定ですので、今年より多くの皆さんに出場していただけるよう、工夫していきます」