問題化した中央区の保育園、対応は...
13人が退職などする見通しの東京・中央区の認可保育園は、ニチイ学館が2019年4月から直接運営することになっているが、大量退職とも言える現象は、同社運営のほかの保育園でも起きていた。
札幌市の施設運営課に取材したところでは、認可保育園「ニチイキッズさっぽろ保育園」で、3月以降に保育士12人のうち4人が退職する予定になっている。調理員らを含めると、職員15人のうち6人が退職見込みだ。
退職理由については、待遇に不満を持つ人もいたが、転職や夫の転勤など個人の都合がほとんどとの認識をニチイ側が持っているとした。退職後の補充はすでに決まっており、市の基準は満たすという。市では、数人が辞めることはよくあることで、対応の必要性を感じないため、ニチイ側を指導する予定はないとしている。
一方、保育園関係者は、中央区の保育園と似た状況だとし、基本給の額などについてニチイ側と食い違いがあったと指摘している。
このほか、市によると、認可保育園「ニチイキッズ大通り西18丁目保育園」でも、保育士10人中2人、調理師らを含めると職員13人中3人が3月で退職する予定。退職理由も、さっぽろ保育園と同様だという。
ニチイ学館の広報課は、個別の保育園については回答を差し控えたいと取材に答えたものの、「小規模の保育園は、保育士などの配置が少なく、移動や退職が2、3人出れば、全体の半数ぐらいになることもあります」とした。退職理由についても、個別の回答を差し控えたいという。そのうえで、「退職の意向を事前にヒアリングして、早い段階に補充できるようにしています。コミュニケーションを密にして、保護者の不安払しょくにも努めていきます」と言っている。
中央区の保育園については、4月から保育士を2人増やして20人体制にし、常勤も8人から13人にすることを決めたと取材に明らかにした。保護者会が3月21日に開かれ、こうした体制が理解できるように説明したとしている。