さらなる広がりを見せる「支援の輪」
「支援」という、どこか上から目線な話ではなく、あくまで「品質が良いから買っている」という姿勢で店の運営を続けている田中さんと濱田さん。その姿勢は店の外にも及んでいる。
「うちの社長は『いったんご縁が出来ると、ご縁がご縁を呼ぶ』とよく言うんです。実際、1件の地元の酒屋さんとの出会いがきっかけとなって、ご縁が広がって『福島酒援』がはじまり、そこから、もっと福島の酒を知ってもらうべく、近年はイベントを開くようになりました」
2015年から『がんばっぺ福島!応援の集い』というイベントを年1回開催。毎回約700人を招いて福島産の酒と料理を振る舞う。イベントで出す料理は料理長が3か月前からメニューを立て始め、直前の数日は調理場に泊まり込みで作る気合の入れようだという。また、ピアシス新橋店を経営する社長の浅野正義さんによると、2016年からは店のすぐそばにある新橋駅前の「SL広場」で、「ふくしまの酒まつり」を開催。第3回(2018年)は54の蔵元が170銘柄を出品し、3万8000人の来場者で賑わった。
震災から8年。福島県産の品質が良い食材を使った美味しい料理とお酒でご縁をつなぎ、ピアシスは「福島酒援・食援」を続けていく。