最晩年に見せた「原点回帰」
2000年代に突入してもあまり音楽活動は活発しなかった。さらに、04年に再び不祥事を起こし、活動停止。復帰は08年まで待つことになる。
音楽ユニット「UKAWANIMATION!」のデビューシングルにゲスト参加、10年にセルフカバーアルバム「ANGEL or DEVIL」を発表するなど徐々にペースを上げてきた。
そして17年、50周年を迎えてビルボードライブとライブハウスツアーを敢行。闘病中とは思えぬアグレッシブなライブパフォーマンスで観客を魅了した。若手ドラマー・裕木レオンさんをメンバーに加えるなど新しい試みにも挑戦。スタジオライブ盤「LAST DANCE」、18年には再びビルボードなどを回るクラブツアーを敢行した。
昨年、自主レーベル「Shoken Records」を立ち上げ発表したのは遺作となったシングル「Time Flies」だ。これまで数多くの著名なミュージシャンから曲をもらった萩原さんが最後の楽曲の作者に選んだのは自分自身。Time Flies=光陰矢の如しと名付けたタイトル曲は生々しいサウンドと迫力のボーカルが冴えた。
ビルボード・ジャパンが2018年に公開した「萩原健一インタビュー『新曲は自分にとっての原点回帰』」ではこのように語っている。
「14才~15才の頃への原点回帰なんですよ。そのときにもう、ブルースが鳴っていたんです。そこに回帰してリリースしてみようというのが、この『Time Flies』というシングルです」
カップリング収録された「Dejavu」と「Good Action」も未来や挑戦を感じさせる歌詞だ。
最後の曲「Good Action」の歌詞はこう締めくくられている。
「皆んなが求めているものを俺が持ってるぜ 一緒にさぁActionしようぜ!」
52年目を迎える2019年。新たな挑戦をしてくれる――誰もがそう信じていた。
本気でショーケンになりたい。そう思い、追いかけ続けた背中の歩みが止まった。
(J-CASTニュース編集部 大山雄也)