「貴景勝に今必要なのは勢い」
「現段階で貴景勝が四つ相撲を覚える必要はない。横綱になってから取り組んでも遅くはない。貴景勝に今必要なのは勢いです。下手に四つ相撲を覚えようとすると、リズムが崩れてしまい自分の相撲が取れなくなる恐れがある。横綱になるために必要なのは、相撲のスタイルではなく勢いです。貴景勝は今の押し相撲に磨きをかけることが一番大事。若く、勢いのある今が横綱になる最大のチャンスですから」
平成以降、10人の横綱が誕生しているが、大関所要場所の平均は約17場所。最短は朝青龍の3場所で、これに曙の4場所、白鵬の8場所が続く。一方、スロー昇進は大関32場所目で横綱昇進を決めた武蔵丸。31場所の稀勢の里が2番目で、29場所の三代目若乃花が3番目となる。大関在位期間の短かった横綱ほど、横綱在位の期間が長く、優勝回数が多い傾向にあることから、将来を見込めば早い段階での横綱昇進が理想的だろう。
かつての師匠、元貴乃花親方は大関を11場所で通過して22歳3カ月で横綱昇進を決めた。今年8月に23歳を迎える若き大関の横綱昇進は、この一年がひとつのヤマとなりそうだ。