別の専門家も「ワースト」を疑問視
投稿者の児童精神科医はJ-CASTニュースの取材に、「通告数が多いという事実はともかく、良い・悪いと表現するのは違和感がある。大阪がまるでひどい地域だという印象を与える」と改めて訴える。
また、「そもそも大阪の人口は全国で3番目に多く、人口比ならまだしも件数で比較するのは不適切ではないか」と通告数単位で自治体を比較する方法を疑問視した。
「一番危惧するのは、ネガティブに書かれると自治体の評価が悪くなると考え、一部の通告を受理しない自治体が出てくることだ」(前・児童精神科医)
厚生労働省の「子ども虐待対応の手引き」では、「虐待が疑われる事例や、将来虐待にいたる可能性の高い事例等も、児童相談所や市町村が相談や情報提供等を受けたことをもって通告として受理する」とある。
子どもの虐待防止に詳しい花園大学の和田一郎准教授(子ども家庭福祉)も、「通告数が多いのは必ずしも悪いとはいえない。市民の意識が高いともいえる」と児童精神科医の主張に同意する。
「通告数が多い背景を分析したり、通告された子どもを行政がしっかり対応できていれば少なくなるはずの再通告率を調べたりした上で評価するならわかるが、そうでないのに『ワースト』と使うのはおかしい」(和田准教授)
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)