高校野球と角界の共通点とは
米国などでは昔からプロスポーツ選手はメディアの取材にきちんと対応し、自身の考えを発信してきた。近年、日本のプロスポーツ界でもこのような傾向にあり、なかでもプロ野球選手とメディアとの壁は以前よりも一段と低くなっている。選手の私生活や幼少時代のエピソードなど、直接本人から取材で聞くことが出来るため、メディアが親を取材する必要が生じない。ただイチロー氏や松井氏クラスになると、それが難しくなるため親御さんへの取材が不可欠となってくる。
相撲のケースと似ているのが高校野球だ。高校球児の親がテレビで取り上げられることはあまりないが、スポーツ紙などでは頻繁に登場する。それはなぜかといえば、高校球児への取材時間が限られているため。学校教育の一環として行われる高校野球に関しては、通常の取材で監督に話を聞くことができても、選手個人への取材を制限している学校が多い。甲子園で勝ち進んでも選手から話を聞けるのは試合後のわずか数分間。そこで球児の親が取材対象となる。苦肉の策という点でいえば、相撲と高校野球は共通しているだろう。
平成生まれながら昭和の力士の風格を持つと言われる貴景勝。激しい相撲とは相反して支度部屋では口数が少ないという。角界の最高峰まであと一歩のところまで到達し、今後さらにメディアの露出が増えることが予想されるが、その「無口」さゆえに、ご両親のさらなるメディア露出が予想される。