プロ野球評論家の張本勲氏が2019年3月24日、TBS系情報番組「サンデーモーニング」で、現役引退を表明したイチローさんについて語った。
「1世紀は出てこないと思う」
イチローさんが、オリックス在籍中、取材に訪れた張本氏は、仰木彬監督(当時)から「張本、いいバッターがおるから見てくれ」と言われたそうだ。張本氏が見ると、すごくいいバッターで、1軍行きを進言したという。
当時のイチローさんは「振り子打法」と呼ばれる、右足で独特のタイミングを取るスタイルで打席に立っていた。仰木監督は、そこが引っかかっていたようだ。しかし張本氏は「(右足を)上げようが、上げまいがね」と、才能を見抜いていた様子で、これを仰木監督に進言し、そこから「イチロー伝説」が始まったという。
また、イチロー選手の素質について、
「バットの先が、(投手のボールが)どのコースでも最短距離で行く。この人しかいない。1世紀は出てこないと思う」
と褒めちぎった。
また、2009年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、不振にあえいでいたイチローさんの元にも向かったという。なかなか成績の出ないイチローさんを振り返り、
「血を吐いていたんですから。胃潰瘍(いかいよう)みたいになって...。責任を感じていてね」
というエピソードも明かした。
イチローさんの記録は、出場3605試合、生涯打率.322、生涯安打4367本というとてつもない数字である。
これに対しても、
「これは大変ですよ。ワンちゃん(王貞治氏)だって、(生涯打率)3割だから。驚異的な数字」
自身の持つ3085安打を超えた試合も現地・米国で観戦、大きな拍手を送ったが、
「当然、(記録は)抜くと思っていました。でも、日本の記録は私だから。(イチローさんは)あくまで『日米通算』だから。これはしっかり言っておかないとね」
と、「張さん節」を炸裂させ、スタジオ中の笑いを誘っていた。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)