スシローなど他社との競争はさらに激化
決算について市場関係者はネガティブに受け止めており、野村証券が決算を受けて6日に出したリポートは、「第1四半期の決算内容は予想以上に厳しい」として目標株価を7900円から6700円に引き下げた(投資判断は3段階の最上位Buy<買い>を継続)。野村は減益の要因について「国内での既存的売上高の苦戦、人件費上昇や広告宣伝費の増加などの複合要因」と分析し、3月1日より新商品の「くらバーガー」を投入し話題性あるサイドメニューで巻き返しを図ることに期待。海外については「先行投資の要素が強い」と見込んだ。
くら寿司は店内でロボットが握った寿司がレーンで運ばれ、客が客席の皿投入口に入れた食べ終わった皿は機械が洗浄して厨房に戻る。予約もコンピューターシステムを駆使、という具合に機械化・省人化が徹底されている。機械化によるコストダウンで1皿100円を維持する一方で素材を生かした味を追求し、うどんや茶碗蒸しに使うだしは1日数回、各店舗で昆布やカツオからとるという手間もかけている。
そうした「安い、うまい」が顧客から支持されてきたわけだが、回転寿司チェーン首位の「スシロー」など同業他社との競争が激しさを増していることもあり、足元の既存店売上高が振るわないようだ。野村以外でもみずほ証券、いちよし証券が3月に入って相次いで目標株価を引き下げた。もとより、くらコーポの株価は2018年5月の8340円を天井に長期下落傾向にあるが、人件費や原材料費の上昇圧力はなお続いており、反転上昇のきっかけをつかみにくい。