日本人男性の同性パートナーと20年以上も共同生活をしてきたのに、国外退去を命じられた40代の台湾男性に対し、国が退去処分を取り消して在留特別許可を与えていたことが分かった。男性は処分取り消しを求めて国を提訴していたが、訴訟を取り下げた。2019年3月22日、弁護団が東京都内で会見を開き、明らかにした。
弁護団によると、日本人の同性パートナーがいる外国人に在留特別許可が与えられるのは、「知る限りでは初めて」だという。台湾男性は1994年から日本人男性と同居を始めたが、ほどなく在留期間が経過してオーバーステイとなった。2016年に職務質問を受けて逮捕されたのち、17年に処分取り消しを求めて国を提訴した。
訴訟の中で東京地裁が国に対し、「処分の見直しはできないか」と打診したところ、国から「再審査の申し出をすれば在留特別許可を付与する」という回答があり、再審査を求めたという。
国は19年3月15日、男性に在留特別許可を与えた。男性は会見場で「オーバーステイがばれないようにひっそりと暮らしてきました。隠れて生きていくことしかできませんでした。これからは日本の同性婚法制化のために、少しでもお役に立てるようにがんばりたい」と話していた。