マリナーズのイチロー外野手(45)の引退に世界中から労いの声が寄せられている。日本プロ野球の元同僚や、MLBの現役選手らがSNSを通じて日米球界のレジェンドにメッセージを送っている。
そんな中、かつてイチローの「宿敵」とも言われた元MLB選手で野球解説者のロブ・ディブル氏(55)が2019年3月21日、自身のツイッターを更新し、イチローへ祝福のメッセージを送った。
「ニューヨークのタイムズ・スクエアを裸で走ってやる」
イチローとディブル氏の因縁は2001年2月までさかのぼる。MLBのルーキーイヤーとなるイチローに対し、ディブル氏はイチローの実力、日本球界での実績に否定的な見解だった。日本の7年連続首位打者に「もしイチローが首位打者を獲ったら、ニューヨークのタイムズ・スクエアを裸で走ってやる」とメディアで公言。さらに「3割打てたら、それだけでも競泳用水着で同じことをする」と挑発した。
ディブル氏が、イチローがMLBで活躍出来ない理由に挙げていたのが「体力」と「精神的重圧」である。当時、MLBの試合数は162試合で、日本はMLBよりも27試合少ない135試合だった。試合数の多さに加え、ディブル氏が指摘したのは試合間の移動距離だ。終盤に疲労から調子を崩し、一年を通しての活躍は無理だと指摘。また、周囲の首位打者への期待がイチローを潰すとも語っていた。
日本人の野手がMLBで通用するのか。米メディアではイチローの実力に懐疑的な見方が多く、1998年までマリナーズに所属していたレジェンド、ランディ・ジョンソン氏(55)の背番号「51」を継承したことで、シアトルの地元ファンは当初、好意的ではなかったという。当時の様子をイチローは「最初の2001年のキャンプなんかは『日本に帰れ』としょっちゅう言われましたよ」と振り返っているが、その中でもディブル氏は「イチロー批判」の急先鋒だった。