LINEとも組んで次世代に乗り出すが...
これに対し、みずほは余力に乏しく、今回の巨額損失計上で利益が800億円に落ち込む中、年間配当は維持すると表明しており、その原資は1900億円に達する。1000億円以上の持ち出しになり、その分、自己資本は一段と傷む。
さらに、デジタル化やキャッシュレス化に伴い、決済や送金といったサービスに異業種のIT企業の参入などで、金融業界は大きな変化にさらされている。みずほも手をこまねいているわけではなく、2018年にLINEと銀行設立に向けた協力で提携、地銀60行と組んで現金を使わないキャッシュレス決済「Jコインペイ」もこのほど開始した。ただ、これらはまだ緒に就いたばかりで、今後、必要になる投資を考えると、この面でも投資余力に不安は隠せない。
新年度(2020年3月期)から新たな中期計画(5月発表予定)がスタートし、その前に「負の遺産」を処理し、V字回復を演じたいという狙いだろうが、計画で、どのような成長軌道を描き出せるかが問われている。