みずほFG「覚悟の損失計上」も... 「周回遅れ」がささやかれる背景

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   みずほフィナンシャルグループ(FG)が、2019年3月期連結決算で約6800億円もの巨額損失を計上する。連結最終利益(純利益)は従来の5700億円の見通しを800億円(18年3月期は5765億円)に大幅に下方修正した。

   超低金利や人口減少で銀行経営が厳しさを増す中、将来予想される損失を一括計上し、体質改善を図るとしているが、3メガバンクのなかでも対応の遅れが指摘され、「周回遅れ」といった酷評も聞こえる。

  • みずほFG本社が入る大手町タワー
    みずほFG本社が入る大手町タワー
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巨大な店舗網が重荷に

   今回の計上は坂井辰史社長が3月6日の会見で、「反転攻勢への大きな取り組みだ」と述べたように、「負の遺産」を整理することで身軽になり、キャッシュレス決済といった新たなIT投資などを加速させる狙いだ。

   損失計上の多くを占めたのが、店舗網と銀行システムで、合わせて、今回の損失6800億円のうち約5000億円を占める。

   店舗については、2017年11月、IT化などで業務量が減るとして、今後10年間でグループ従業員数を1万9000人減らして約6万人にし、国内約500拠点の2割にあたる約100拠点を閉鎖する構造改革を公表していた。今回、これに加え、都市部を中心に数十拠点を追加で統廃合するなどのため、関連費用を約400億円計上した。資産の時価が帳簿上の価格を下回った分を処理する「減損処理」だ。

   また、現在、銀行の新たな基幹システムへの移行を進めており、7月全面稼働予定だが、価値が目減りする分として毎年計上する償却費用を前倒しで約4600億円を一括計上する。

   このほか、米国の金利上昇で価格が下落した米国債など外国債券を売却することで生じる損失約1800億円も処理する。

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