ワイドショー「サクラ開花」狂騒も結局空振り 「平和かよ、日本」と呆れ声も

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   東京でサクラの開花宣言が出るのでは、と期待を集めた2019年3月20日、民放情報番組は朝から現地生中継を交え、標本木がある靖国神社(千代田区)の模様を伝えた。画面には多くの報道陣や一般の人の姿が映っており、確認に訪れた気象庁職員が移動に一苦労する場面もあった。

   結局、この日は午後になっても宣言の基準の開花輪数(5~6輪以上)に達せず、開花宣言は出なかったのだが、東京で放送された番組では夕方近くまで、多くの時間を割いて東京を中心とするサクラ情報を伝えていた。ツイッターには「騒ぎすぎでは?」とあきれる声も多く出ていた。

  • 桜への高い関心が…
    桜への高い関心が…
  • 桜への高い関心が…

「その瞬間をお伝えできるかもしれません」と大張り切りも...

   新聞掲載の番組表の冒頭で「いよいよ桜開花か...標本木密着 何輪咲いた?生中継も」と紹介した「スッキリ」(日本テレビ系、8時から約2時30分放送)は、冒頭近くから前日19日の靖国神社の標本木レポートを紹介する力の入れようだった。

   CMをはさんで当日の「LIVE」放送も始まり、名物レポーターの阿部祐二さんが、2輪が咲いているなどと報告した。画面がスタジオに移ってからも地方のサクラ情報を取り上げ、約20分間(CM含む)サクラネタを続けた。その後は番組後半に、断続的に計1~2分程度のサクラ情報が取り上げられ、阿部さんも登場していた。

   20日の予定では、気象庁の職員が10時と15時頃に標本木を確認することになっていた。開花輪数が基準に達すれば開花宣言をする。これまでの気温の高まりや20日も温暖な天候が予想されたことから、20日中の開花宣言が期待されていた。

   日テレ系で14時前から始まった「情報ライブ ミヤネ屋」(大阪の読売テレビ、15時50分まで)では冒頭近くで、東京での開花宣言について「その瞬間をお伝えできるかもしれません」と張り切っていた。標本本現地の録画映像で、10時すぎの気象庁職員の確認では、開花宣言が出なかった場面を紹介。その後のスタッフ確認で数輪の開花が進んでいる状況も報告した。約16分の放送のあと、別コーナーをはさんで、再度、現地LIVE放送や各地のサクラ情報が始まり、15時すぎの気象庁職員の確認シーンまで10分以上サクラネタが続いた。

スタジオ「エ~」「マジで~」

   気象庁職員は、サクラを見る場所を替えつつ慎重に確認作業を続けた。「引き」の映像が映ると、カメラを抱えた多くの報道陣や一般の人たちでごった返しており、職員らの移動が大変そうな位の人だかりがしていた。現地映像で職員らの表情ややりとりを見ながら、司会の宮根誠司さんは「おそらく(開花宣言の)発表ですね」「OK出たんじゃないですか」などと見立てを披露していたが、職員がマイクを前に語ったのは「4輪確認しました」で、基準に達せず、開花宣言は行われなかった。

   スタジオでは「エ~」「こんなに時間かけてきたのに...」「マジで~」と、悲鳴があがった。宮根さんはガクッと膝をつき、転がるように落胆を表していた。

   このほか、TBS系の「ひるおび!」(10時25分~)、「ゴゴスマ」(13時55分~)でも、現地LIVE放送を織り交ぜながら、長めの時間を割いて、東京を中心とするサクラ情報を伝えていた。その後の夕方ニュースでも、結局は開花宣言がなかった東京の標本木情報などを伝えていた。

   こうした、盛りだくさんのサクラ情報に対し、ツイッターでは

「東京は開花宣言で騒ぎすぎでは?」
「毎年だけど今年は更にひどい。(略)騒ぎすぎ」
「たかが開花宣言で騒ぎすぎ。平和かよ、日本」

とあきれたような反応が相次いでいた。

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