紙不足深刻で印刷会社相次ぎ「注文制限」  同人誌製作への影響も...「例年より早めの注文を」

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背景に製紙メーカーの強硬姿勢

   同人誌印刷を手がける栄光(広島県福山市)も用紙の調達に苦労している。製紙メーカーが供給を絞ったのに加え、値上げを決定したためだ。岡田一社長は取材に対し、「今回の場合は値上げ幅が大きすぎる」と不満を漏らす。

   岡田社長によれば、製紙メーカーは例年、10%ほどの値上げを要求するものの、浸透せずに徐々に下がるケースが多い。しかし今回の値上げは、製紙各社が足並みをそろえて踏み切り、交渉の余地はほとんどなかったという。

   製紙大手の王子製紙、日本製紙は19年1月出荷分から10~20%の幅で用紙の値上げを発表している。両社は値上げ理由を「原燃料価格と物流費の上昇」と説明する。

   日本製紙の2019年3月期第3四半期決算(18年4~12月)では、純利益が389億円の赤字(前年同期は76億円の黒字)に落ち込んだ。デジタル化やペーパーレス化の波で印刷用紙の需要が低迷し、「紙事業」で苦戦したためだ。そのため、成長分野である段ボール事業に経営資源を集中させ、紙事業は生産体制の見直しによるコストダウンを進めている。業績次第では紙の減産を進める可能性もある。

   岡田社長は、「今年の10連休は不測の事態に対応できない場合があるので、注文は例年よりも早めにお願いしていただきたいです」と要請した。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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