「焼けた肌は汚い」だけではない 炎上の美ST特集、専門家が見た「問題点」

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「生まれ持った体質を侮辱する発言」

   特集をめぐっては、SNS上で「イエべ」「ブルべ」の説明や特徴に疑義を呈す声や、対立構造に違和感を覚える人が少なくない。

   NPO法人日本パーソナルカラー協会は19日、J-CASTニュースの取材に「肌の色に応じて単純に2パターンに分類すると考えるよりも、イエローベースの中でもグラデーションがあり、ブルーベースも同様で、中間に位置する人もいます。そのため、診断にはプロの目が必要です。また、肌と同色系の服が必ずしも似合うとは一概には言えません。イエローベースでは、黄色い肌がくすんでみえたり、ブルーベースでは白い肌がより白く元気がないようにみえたりする場合もあります」と話す。

   また、特集を問題視した一人である、作家でライターの雨宮美奈子氏は取材に対し、 「性格や口癖などは、肌の色に関係なく個人に個性があるものです。特に『男の子ママが多い』というデータなき無根拠な決めつけには、怒りを通り越して呆れます。論文か何かデータでもあるのでしょうか?」と憤りを隠さない。

   さらに、対立構造での描写について、

「そもそも、センセーショナルな見出しにしたかったのでしょうが、肌の色で両者を競わせる発想が不愉快です。この特集を読んで、なんで私の肌色にこんなこと言われなきゃいけないの、と思った人は多くいるはずです」

と指摘する。

「特に、日焼けができない色白の人がビーチで長袖などを着ることを『日本の恥』と書いたり、『焼けた肌って汚くない?』と色黒の人を悪く言う発言には不快感を覚えます。これらは、生まれ持った体質を侮辱する発言です」(雨宮氏)

   以上を踏まえ、

「美ST自体は、個性的な美容ネタを取り扱うユニークな美容誌だと思いますので、今後は美容を通して誰もが傷つくことのない、自信を持つヒントにあふれた雑誌になってほしいなと強く願っています」

と要望した。

   出版元の光文社は3月18日、特集の中で「編集部の認識不足による過剰で不適切な表現」があったとして「読者の皆様をはじめ、関係者の皆様に、お詫び申し上げます」と公式サイトで謝罪。同社広報室は取材に対し、「皆様のご指摘を真摯に受け止め、今後の編集活動に役立ててまいります」と回答した。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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