昭恵夫人との写真は「私たちが撮ったんではないんです」
安倍昭恵首相夫人との関係性も焦点になっている国有地売買をめぐる問題では、籠池被告は新たな主張を展開した。財務省による改ざんが明らかになった15年2月4日付の決裁書類によると、14年4月28日に行われた近畿財務局と籠池氏との間での打ち合わせで、
「なお、打合せの際、『本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは「いい土地ですから、前に進めてください。」とのお言葉をいただいた。』との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)。」
という説明がある。籠池被告は、この写真について、
「これは安倍昭恵夫人が『写真撮りましょう』とおっしゃったので、安倍昭恵夫人の秘書が撮った写真なんですよ。私たちが撮ったんではないんです」
と説明。近畿財務局との打ち合わせで写真を見せたところ、財務局側は「あっ!とびっくり」し、上司に見せるためにコピーを取らせてほしいと言われて応じたところ、「そこから(事態が)急激に動き始めた」と話した。
過去の政府見解と食い違う主張も展開された。これまで政府は、国有地の賃料引き下げについて、昭恵氏付の政府職員だった谷査恵子氏が、学園側の依頼を受けて財務省に電話をしたが、財務省側は減額には応じられない旨を電話で回答した、としていた。だが、籠池被告によると、谷氏は籠池被告に対して「(財務省側は)わざわざ課長級の人が来てくれました」と説明したという。仮に籠池被告の主張が正しければ、谷氏は財務省の担当者と電話ではなく直接対面していたことになり、野党側は追及材料にしたい考えだ。
籠池被告夫妻は、開設を目指していた小学校建設にあたって国からの補助金をだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)