日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が退任意向を固めた、との報道が相次ぐなか、竹田会長の長男で作家の竹田恒泰氏が、テレビ番組で「父」への「辞任圧力」に対する疑念や不満を語った。
竹田会長は、明日2019年3月19日に開かれるJOC理事会で退任意向を表明する見通し。
疑惑については「新しい話はない」
3月18日の「ゴゴスマ」(TBS系)には、番組の月曜コメンテーターでもある竹田恒泰氏が出演した。氏は明治天皇の玄孫としても知られる。番組は、2020年の東京オリンピック招致をめぐる買収疑惑で、1月の会見では疑惑を全面的に否定していた竹田会長が、退任の意向を固め、明日のJOC理事会で表明する見通しだと伝えた。会長はフランス司法当局の捜査対象となっている。
恒泰氏は、現在の情勢について「辞任圧力というものが高まってきている、ということでしょうけど」と分析したうえで、それが買収疑惑が深まってきた結果ならば「まだしも」、疑惑については「何の新しい話はない」と指摘した。
さらに、アジア・オリンピック評議会(OCA)が3月3日、竹田会長について「(東京五輪招致をめぐって)不正行為は確認されなかった」として、OCAの副会長として再任したことに触れ、
「新しい疑惑が深まったという話じゃない」
と強調。そのうえで、
「(父は)忸怩たる思いをしてるんじゃないかな、と思います」
とその心中を慮った。他にも、フランス司法当局による捜査が、摘発に向けて本格化しているようには見えない、とも指摘した。
司会の石井亮次アナが、JOC内における権力闘争と関係がある可能性に触れると、
「はい。ですね」
と応じ、
「父は言いたいことが、たくさんあると思いますよ。言えないだけで」
と、あらためて父の心情を推測してみせた。
竹田会長の退任時期については、任期満了となる6月末での退任の可能性などが指摘されている。当初は続投が既定路線だった。後任候補には、全日本柔道連盟会長の山下泰裕氏らの名前が挙がっている。