日本陸上競技連盟の長距離・マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏(62)が、2019年3月17日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)に生出演し、公務員ランナー川内優輝(32)=埼玉県庁=に「喝!」を入れた。2020年東京五輪選考レース「MGC」の出場権を獲得しながらもこれを辞退し、世界陸上出場の意志を表明している川内に苦言を呈したものだが、ネットでは瀬古氏の発言に批判の声が続出している。
五輪選考レース本戦となるMGCは、9月15日に開催される。現時点で男子は川内を含めて30選手が出場権を獲得しており、20年東京五輪代表3枠のうち2枠が決まる見込み。マラソンの五輪代表を巡っては、選考基準の不透明さから過去には世間を巻き込んで物議をかもしたことも。MGCは、選考基準をより明確にするために日本陸連が今回新たに導入した。
「ドーハは困りますよねぇ」
川内は3月10日に行われた「びわ湖毎日マラソン」で、2時間9分21秒で日本人2位の8位に入った。同レースはドーハ世界陸上の代表選考を兼ねており、川内の世界陸上出場はほぼ確実となっている。世界陸上の男子マラソンは10月6日スタート予定のため、9月15日開催のMGCの掛け持ちは現実的に不可能となる。このため川内はMGCよりも世界陸上を優先させる発言をしており、これに対して瀬古氏が「喝!」を入れた。
瀬古氏は「我々だってね、オリンピック目指してるわけですよ。MGCだって盛り上げなきゃならないのに、ドーハは困りますよねぇ」と、川内の選択に苦言を。さらに川内が世界陸上を選んだ理由について「彼は暑さに弱いんですよ。ドーハは夜中の12時にスタートなんで。砂漠ですから、朝晩涼しい、砂漠ですから。だからそっちを選んだという」と説明した。
番組内での瀬古氏の川内への苦言に、ネットでは批判が殺到した。
「こういうのがパワハラ。自由を奪ってはいけない。」
「こんな暴走発言を放置してよいのか?」
「川内選手の自由だと思う。喝は瀬古さんの方」
「むしろ陸連の幹部なら『世界選手権頑張ってこい』と背中を押してやるべき。」
川内は4月からプロに転向し、公務員ランナーからプロランナーとして活動の場を広げていく。