DeNAのドラフト2位・伊藤裕季也は将来のクリーンアップ候補として評価が高い。ある球団関係者が明かしてくれた。
「昔ウチにいた村田修一に雰囲気が似ているんですよ。『ザ・男!』って感じで。本当は繊細な性格だけど、グラウンドでは堂々としている立ち振る舞いも似ている。心の芯が強い選手なので楽しみですよね」
懲罰交代も「監督に感謝します」
DeNAは2017年に首位打者を獲得した安打製造機の宮崎敏郎がいる。伊藤裕は宮崎の後釜として期待されるが、持ち味は身長182センチ、体重90キロを超える体格からフルスイングで広角に本塁打を打てることだ。タイプは同じ長距離砲で、かつて横浜(現DeNA)でプレーしていた村田修一に近い。村田は新人の時から打てなくてもフルスイングを貫き、先輩が多い中でも委縮することがなかったが、伊藤裕も堂々としているという点で共通している。オープン戦でサングラスをかけ、ガムを噛んでフルスイングする姿は何年もプロでやっているような風格すら漂っている。
そんな振る舞いに苦言を呈すファンもいる。ただテレビ関係者に聞くと、普段は「僕なんてまだまだです」と謙虚で穏やかな口調の好青年だという。
実直な性格はある事件から垣間見えた。2019年3月7日の中日戦(ナゴヤ球場)で一塁後方への高い飛球を放った際にファウルになると判断し、一塁へ走り出していなかったため二ゴロに。怠慢走塁により、即座に懲罰交代させられた。伊藤裕は試合後、自身のツイッターで「ご指摘、ご声援の メッセージありがとうございます。 全ての方に失礼な プレーをしてしまいました。 本当にすみません。 これが今の自分の甘さです。 交代させてくれた監督に感謝します。 今日のプレーに限らず 甘さを無くし強い選手になります。 本当にすみませんでした。 また明日から頑張ります」とファンに向けて謝罪した。
オープン戦でまだ打撃で思うような結果が出ず、15日にファームに降格した。フルスイングだけでなく、状況判断に応じた打撃も求められるが、小さくまとまってほしくない。無骨で男気を感じさせる若武者は少なくなった。「男・伊藤裕季也」の今後の活躍が楽しみだ。