「まだ間に合う」英国に呼びかけた毎日新聞
関連業界では仏タイヤ大手のミシュランが2020年半ばまでにスコットランドの工場閉鎖を表明済み。その他の業界でも、パナソニックやソニーが、英国にある欧州法人の登記上の本社あるいは本社機能をオランダに移す方針を示している。ロンドンの金融街シティでは、金融機関が拠点や資産を海外に移す動きが広がっている。
大手紙は日本企業の英撤退などの動きを逐一報じている。社説でもホンダの撤退表明を受け、2月21、22日に日経、読売、毎日が社説、産経は「主張」で一斉に取り上げ、関心の高さを示した。「離脱は無関係だとするホンダの説明を額面通り信じるのは難しい」(毎日)と、いずれもブレグジットと関連させる内容だ。
問題意識はほぼ共通。「英国の迷走は目に余り、関係する日本企業の困惑は深まるばかりだ」(日経)などと、企業の困惑を指摘し、このままでは「幅広い分野で、企業の『英国離れ』が加速するのは避けられまい」(読売)と警告。理由を「誰も望まぬ『合意なき離脱』に突き進む英国政治の混乱にほかならない」(産経)と批判する点でも共通する。
前述したとおり、ひとまず英国は離脱を「延期」する方向に舵を切ったものの、これが認められるかは定かでなく、かつ一時しのぎなは明らかだ。展望は開けていない。「なぜ多くの外国企業が英国に進出したのか......巨大なEU市場への自由な入り口として魅力だったことが大きい。その魅力がうせたらどうなるか。残された時間は限られるが、まだ間に合う」(毎日)と、英政界のギリギリの対応を求めている。