巨人の外国人枠争いに明暗が...。開幕戦を約2週間後に控え、巨人の外国人枠が固まりつつある。今季の巨人は、支配下64人中8人が外国人選手。投手5人、野手3人が春季キャンプからここまで1軍に登録可能な4枠を争ってきたが、ここにきて明暗がくっきりと。原辰徳監督(60)肝いりで獲得した新外国人クリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27)が、外国人枠レースから脱落の様相を呈してきた。
現在の巨人のチーム事情を踏まえると、4つの外国人枠の内訳は、投手「3」、野手「1」とみられる。投手陣では、先発のC.C.メルセデス(25)とテイラー・ヤングマン(29)、抑え候補のライアン・クック(31)がほぼ確定。野手は、ビヤヌエバとアレックス・ゲレーロ外野手(32)、ホルヘ・マルティネス内野手(25)の3人での争いとなるが、事実上、ビヤヌエバとゲレーロの一騎打ちとなっている。
ビヤヌエバとゲレーロのオープン戦を比較すると...
ビヤヌエバは昨季、MLBパドレスで20本塁打をマークし、内野のすべてのポジションをこなす器用さを持ち合わせる。前評判はゲレーロを上回るもので、打線の軸となる3番、5番候補として期待されていた。だが、実戦形式の練習が始まると評価は徐々に下降線を。オープン戦では2019年3月13日時点で10試合に出場し29打数5安打、打率172.と散々たるもの。日本人投手の変化球に対応しきれず、7つの三振を記録している。
ライバルのゲレーロは13日時点で同じく10試合に出場して27打数6安打、打率222.と、打率はビヤヌエバを少し上回る程度だが、12日のソフトバンク戦では2戦連発となる本塁打を放ち首脳陣にアピール。ここまで打点0のビヤヌエバに対してゲレーロは持ち前の長打力で4打点を記録しており、関係者の間では早くも「野手の1枠はゲレーロで決まり」との声が上がっている。
外国人枠争いではビヤヌエバをかわして1枠に収まりそうなゲレーロだが、外野のレギュラーを勝ち取るには至っていない。巨人の外野は、広島からFA移籍した丸佳浩(29)、陽岱鋼(32)、亀井善行(36)の実力者に加え、重信慎之介(25)や松原聖弥(24)ら若手の台頭もあり、レギュラーの座を巡ってシビアな争いが繰り広げられている。現状ではゲレーロのレギュラー獲得は厳しく、外国人枠を死守しても1軍での出場機会はそう多くは巡ってこないだろう。
プロ野球関係者「原監督はもともと...」
プロ野球関係者は「原監督はもともとゲレーロよりもビヤヌエバに期待していた。丸の獲得で外野のメドが立ったこともあり、ゲレーロは計算に入っていなかったはず。ゲレーロは性格的にも問題があるため使いづらいというのが本音。だが、ビヤヌエバの打撃は原監督の想像以上に悪い。変化球にまったく反応できていないし、外角に外れる変化球を決め球に使えばほぼ打ち取れる。巨人のコーチ陣は頭を抱えているでしょう」と話した。
現在、日本のプロ野球では、1軍の外国人登録は4枠となっているが、投手、野手それぞれ同時に登録出来るのは3人まで。登録可能な4枠を最大限に使う場合、「投手2人、野手2人」、「投手3人、野手1人」、「投手1人、野手3人」の3つのパターンしかない。たとえ、野手を登録しなかったとしても、投手を4人登録することが出来ないため、野手のゲレーロかビヤヌエバを登録せざるを得ないのが現状だ。
2017年に中日から移籍したゲレーロの年俸は2年総額8億円(金額は推定)で、ビヤヌエバの基本年俸は2億2500万円前後で、これに出来高が加わるとされている。巨額を投じた助っ人だけに、外国人枠を最大限に使うとみられるが、現時点でゲレーロ、ビヤヌエバともにレギュラーの座は遠い。総額10億円以上を投資した外国人助っ人がシーズン中、ベンチに塩漬けとなる光景が見られるかもしれない。