高橋洋一の霞が関ウォッチ
韓国の対日政策が硬化 日本がとれる「対抗措置」は?

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民間レベルでの対抗措置もある

   こうしたものは政府の対抗措置であるが、民間レベルでもいろいろとありえる。もちろん民間レベルでは、ビジネス優先であるので、政府が強要するものではないが、この方が実は韓国に対して最も効果的である。

   それは、経済界あたりからもではじめている対韓直接投資の縮小、つまり韓国からの引き揚げだ。日本企業としては、理不尽な請求をされる可能性があるので当然の対応である。日本企業でもその動きは既にある。昨年の日本からの対韓直接投資は約3割も減少した。これには日韓関係悪化も影響している。

   昨年の対韓直接投資については、日本が落ち込んだにもかかわらず、中国の急増、欧米の堅調な対韓投資により、全体としては2割程度の増加になっている。

   中国は米中貿易戦争の影響、欧州はブレグジット(イギリスのEU離脱)の混乱のために、それぞれ今年はリーマンショック級の経済危機もありえると予想されている。

   在韓外資系企業に対する調査では、今年の対韓投資縮小を検討している企業は4割もあるといわれている。韓国の投資先魅力がそもそもなくなっているのだ。

   韓国経済は外資引き揚げに対して極めて脆弱だ。こうした状況において、日本企業が韓国から引き揚げるのは、韓国からの輸入品に対する関税引き上げより、はるかに強力だろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「マスコミと官僚の小ウソが日本を滅ぼす」(産経新聞出版)、「『消費増税』は嘘ばかり」(PHP新書)など。


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