あるツイッターユーザーが投稿した小学校の副読本の画像に、不自然な様子でファミコンを使っている子供の写真が載っていると話題になっていた件で、岩手県の遠野市教育委員会は2019年3月11日、同市教委が作成し、写真も新たに撮影したものと認め、「本来であれば、当時をイメージさせるための写真である旨を明記して掲載するべきでした」とお詫びした。
3月2日に投稿されたツイートの画像に対しては、「子供の持っているコントローラーの向きが左右逆である」「電源ケーブル等が接続されていない」など多くのツッコミが入っていた。
「イメージ写真ですってことをきちんと明記すればよかった」
遠野市教委の11日の発表などによると、地元の状況を説明する副読本は、採択した教育出版の教科書に沿って市教委が作成。教科書との連動性を確認しながら作った。基本的に写真の転用は禁止されているため、ルールに基づき、独自に写真を用意した。
J-CASTニュース編集部が入手した、元の教科書に載っていた写真では、子供がファミコンのコントローラーを左右正しく使っていたが、この副読本用に「独自に用意した写真」は、「左右逆」など不自然な写真だった。実は、ファミコンで遊ぶ子供の姿を映した、当時の記録写真の入手ができなかったため、ゲーム機(ファミコン)を用意し、現在の子供に撮影の協力を依頼。遊んでいるときの様子をイメージさせるような写真を撮影して掲載したという。
こうした経緯から、現在の子供が、古いファミコンのコントローラーの正しい使い方を知らず、左右逆に持っていた、といったことが起きたようだ。
市教委の担当者は、J-CASTニュース編集部の取材に対し、
「写真の取り扱いについては十分な配慮が不足していたことが一番反省すべき」
と話した。さらに、
「イメージ写真として掲載しようとしたものを、あえて(撮影時期として「1991年」と)年号等を入れたがために、『ねつ造写真じゃないか』ということで、イメージ写真ですってことをきちんと明記すればよかった」
と分析。作成者は聞き取りに対し、「キャプションにイメージ写真だと明記しなかったことについて配慮しなかったことを後悔している。そういう意識をもって作成しなきゃならなかったんだ」という趣旨の話をしているという。
副読本は2017、18年度版。キャプションの部分については、各学校に教育委員会の用意したシールを張ってもらい対処するという。2年ごとに副読本の改訂版は出しており、19年4月から切り替わる新しい副読本については、写真を使用しないとしている。
(J-CASTニュース編集部 田中美知生)