クロ現「フェイクニュース」特集に「異論」 何が外交官の命を奪ったのか

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情報発信めぐる「マトリョーシカ」

   これに対して、元TBSキャスターで白鴎大学客員教授の下村健一氏は、番組をめぐって指摘されている事態を「マトリョーシカみたいなもの」だと表現し、「『こうである』の外に、もう一つの『こうである』、さらにもう1回『こうである』がある」と説明。番組のタイトル「『フェイクニュース』暴走の果てに」を引き合いに、

「フェイクニュースの騒動があった時間的経過の後に外交官の自殺、という言い方しかしておらず、非常に巧みに、そこは直結しないように、言わば『逃げ』を打ってある」

と分析した。その上で、「そういうところまで含めた眼力」が必要で、「基本的には『見ているものがすべて』だとは思わないこと」が大事だと訴えた。

   今回の事案では、中国大使館が手配したバスが連絡橋を渡って関空の敷地内に乗り入れたという事実はないものの、対岸の泉佐野市で待機していたことが明らかになっている。楊井氏は、こういったことを念頭に、ネット上で拡散された情報は「まったく100%嘘というわけでもない」として、「フェイクニュース」という用語のあり方について問題提起していた。

「世の中には虚実ないまぜの情報が多い中で、『フェイクニュース』というと、それ自体が全くウソ、デタラメという印象を持つ言葉になる。何かそれにとって代わる、いい言葉はないか」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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