元卓球選手の福原愛さんが2019年3月11日にブログを更新し、「3・11に対して今の率直な気持ち。」と題して東日本大震災に対する現在の心中を綴った。
「一体誰のために書こうとしてるのか。偽善者ぶりたいから書いているの?」などと葛藤を交えつつも、真摯な言葉で、8年前の震災を機に自身のプレースタイルに変化があったことなどを語った。
「絶対に捨てない戦い方」
仙台出身の福原さんは、毎年3月11日にブログを更新している。それについて、
「毎年同じようなことを書いている気がして、何を書いたらいいかわからなくなりました。ブログを書かないとあの日を忘れられたと思われてしまいそう。でも一体誰のために書こうとしてるのか。偽善者ぶりたいから書いているの? 私は忘れていませんよ、というアピール? そんな心の葛藤がありました」
と、複雑な想いを打ち明けた。その上で、震災をきっかけに「少しでも明るいニュースをお届けしたい」という気持ちから卓球への取り組み方が変わったことを述べた。
「戦術を掴まれないために勝ち目のないゲームは途中で捨てて次のゲームに切り替えるという戦い方から、どの部分を切り取ってみても絶対に捨てない戦い方へ。少しでも諦めない姿勢が伝わればとプレーしてきました」
と言う。最後に、
「コートを離れた今、選手じゃない自分に何ができるのか。被災された皆さんに対して何が必要なのか、私にできることと噛み合わせながら積極的に取り組んで行きたいと思います」
と、これからに目を向けて締めくくった。
福原さんは震災翌年の2012年、ロンドン五輪で、女子団体の一員として日本勢初の銀メダルを獲得する活躍を見せた。