「佐川急便」との統合近い? 注目集める日立物流の動向

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

経営統合が先でも期待感は高く

   日立物流は資本関係のみならず、実際の業務でも「親離れ」を進めており、すでに現在では日立グループ以外との取引が全体の8割強を占めるとされている。2018年10月には中国などとの国際貨物輸送に強みを持つ中堅物流のエーアイティー(AIT)と資本業務提携するなど物流企業としての進化を続けている。業績は拡大を続けており、1月31日に発表した2018年4~12月期連結決算(国際会計基準)は売上高が前年同期比1.9%増の5358億円、営業利益が9.9%増の240億円、純利益が12.7%増の174億円と増収増益だった。

   佐川グループとの提携発表以来、日立物流の株価は右肩上がりだが、足元では「3年以内」と発表されていた経営統合を意識する投資家の関心を集め、2月19日から22日まで4営業日連続で上昇来高値を更新した。3月に入っても上場来高値圏で推移している。

   3年以内の経営統合となればまもなくその期限となるタイミングだが、今のところ、そうした動きは少なくとも表面化していない。ただ、この間、SGHDが2017年12月に東証1部に新規上場したことでSGHD株の市場価値が客観的になったことに加え、SGHDの企業統治の透明度が高まり、経営統合に向けた下準備は整いつつある。

   そうした中で、時価総額で日立物流(3683億円)の3倍近くに上るSGHD(1兆502億円)が日立物流を買収する形で経営統合するとの思惑が投資家に募る。日立製作所が保有する日立物流株をさらにどこまでSGHDに売却するのか不明な中、株式の公開買い付け(TOB)の際のプレミアム(上乗せ金)への期待感が高まっているのが現状だ。

   たとえすぐに経営統合にいたらずとも、拠点の共同利用などで提携による効果は着実にあがっており、日立物流株はさらに上値を追う展開となる可能性がある。

1 2
姉妹サイト