日本航空(JAL)は2019年3月8日、20年の夏ダイヤから運航を始める中長距離格安航空会社(LCC)のブランドを「ZIPAIR(ジップエア)」にすると発表した。実はこのブランド名、発表の10日以上前に旅行専門のウェブサイトで報じられていた。
そのため、ネット上では圧縮されたファイルの拡張子を連想する声もあがっていたが、LCC運営会社の西田真吾社長は
「お客様を圧縮するという意図ではない。どうぞご安心を」
などと訴えた。
ドメインの登録情報からブランド名が漏れる
「ZIPAIR」には、(1)矢が素早く飛ぶ擬態語「ZIP」から「フライトの体感時間が短い」(2)郵便番号の「ZIP CODE」から、「様々な場所に行ける」(3)拡張子の「.zip」から「至る所に日本人らしい創意工夫をつめて、計算し尽くされた移動体験を目指す」、というイメージや思いを込めた。ブランド名に合わせて、準備会社の「ティー・ビー・エル」の名称も「ZIPAIR Tokyo(ジップエア トーキョー)」に変更した。
「ZIPAIR」というブランドをめぐっては、2月26日、ウェブサイトのドメイン登録情報を根拠に、旅行関係のニュースサイト「Traicy(トライシー)」が
「JALの中長距離LCC、ブランド名は『ZIPAIR』に」
と報じていた。これを受けてツイッターでは
「zipなのかrarなのか添付ファイルに迷うドメイン名」
といった声も出ていたが、西田氏は
「私たちは中長距離LCCとして、お客様に快適な移動体験を提供したいと思っているので、決してお客様を詰め込む、圧縮するという意図ではございません。どうぞご安心してご利用いただければ」
と否定。会見に出席していたトライシーの記者に「ご名答」と書かれたステッカー入りの封筒を渡して「表彰」する珍しい一幕もあった。
まずはソウル、バンコク路線から
20年の運航開始時には、JALのボーイング787-8型機2機を改修して導入。成田とソウル(仁川)、バンコク(スワンナブーム)の2都市を結ぶ。すでに多くのLCCが参入しており、高い需要や市場の成長が見込めることが理由だ。その後は年に1機のペースで飛行機を増やし、長距離の洋上飛行に必要な認証「ETOPS(イートップス)」が得られ次第、早ければ21年夏スケジュールから北米や欧州への就航を目指す。ホノルルやグアムについても「検討の対象になる」とした。
なお、「圧縮」問題については、先行のLCCと比べて
「相当ゆとりのある座席配置が作れたのではないかと自負している」
と話している。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)