NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』の受動喫煙シーンへの批判をめぐり、同局が見解を示した。
公益社団法人「受動喫煙撲滅機構」の申し入れを受けたもので、「演出上必要な範囲にとどめております」と回答している。
「貴局は、受動喫煙を撲滅する方針を失っていないと判断」
受動喫煙撲滅機構は2019年2月19日、NHKへ申し入れ書を送った。
申し入れ書では、『いだてん』に受動喫煙シーンが頻繁に登場するため、受動喫煙の容認を助長したり、出演者・スタッフの受動喫煙被害を招いたりしているとして、NHKに以下の2点を求めた。
(1)『いだてん』において、受動喫煙のシーンは、今後絶対に出さないでください。
(2)『いだてん』で、受動喫煙場面が放映されたことについて、番組テロップなどで謝罪をしてください。
機構は3月5日、NHKの制作局ドラマ番組部部長名義の回答書を公式サイトで公開。回答によれば、主人公が絶えずたばこを吸っていたなどとする回想録や証言があったため、「キャラクターを表現する上で欠かせない要素として描いております」と主張。その上で、「演出上必要な範囲にとどめております」と配慮もしているとした。
回答を受け、機構は3月4日に再度NHK宛てに文章を送付。「貴局は、受動喫煙を撲滅する方針を失っていないと判断致しました」「受動喫煙撲滅について前向きなお考えをお持ちと拝察し、大変安心いたしました」と評価し、「今後、さらに内部から良識ある意見が出て、健康増進法の精神に沿った放送をまっとうされることを祈念します」とした。