AKB48の高橋朱里さん(21)が2019年3月4日、東京・秋葉原のAKB48劇場で行われた自らの「生誕祭」公演で、グループからの卒業を発表した。卒業後は韓国の芸能事務所「ウリムエンターテインメント」から再デビューする。
高橋さんは11年に12期生としてAKB48に加入。15年からチームのキャプテンを務め、選抜総選挙では3年連続で上位16位圏内に入る人気メンバーだ。グループ総監督の横山由依さん(26)との深い関係から、一時期は「ジキソー(次期総監督)」との下馬評もあった。ひときわ「AKB愛」が強い高橋さんが違う環境を選んだ背景には、何があったのか。
須藤批判の総選挙スピーチ、渡辺麻友も「よく言ったな」
高橋さんは15年3月に「チーム4」キャプテンに就任し、17年12月に異動先の「チームB」でもキャプテンを務めてきた。16年5月発売の「AKB48総選挙公式ガイドブック」(講談社)では
「高橋みなみの卒業を経て、グループにおける彼女の必要性はますます増している。現総監督の横山由依との絆も強く、『ジキソー(次期総監督)』と呼ばれることも」
と評された。翌17年の選抜総選挙では、さらに高橋さんの「AKB愛」が広く知られることになった。この年の開票イベントでは、20位に入ったNMB48の須藤凜々花さん(22、17年卒業)が結婚を宣言。高橋さんは11位にランクインし、メンバーの中には自分の順位に悔し涙を流したりする人がいることに言及しながら、
「アンダーガールズ(17~32位)の、そこまで上げてくれたファンのみなさんがいる中で、結婚したいとか結婚しますとか、そういうファンの皆さんが複雑な気持ちになってしまうことを言うメンバーを見て、それまでに流していたメンバーの涙の気持ちを考えると、本当に胸が痛いです」
などと強い不快感を表明。2位にランクインした渡辺麻友さん(24、17年卒業)が「(拍手して)『よく言ったな』と。(中略)本当にうれしかったし、頼もしかった。あの流れの中でよくぞ言った。偉いなって」(AKB48グループ新聞 17年7月号)と称賛するほどだった。ただ、18年12月に次期総監督に指名されたのは、13年に15期生としてAKB48に加入した向井地美音(むかいち・みおん)さん(21)だった。
きっかけは日韓オーディション番組「PRODUCE48」
高橋さんが韓国行きを決断するきっかけになったのが、宮脇咲良さん(20)ら日韓合同ユニット「IZ*ONE(アイズワン)」のメンバー12人を選んだ18年夏のオーディション番組「PRODUCE48」への参加だ。高橋さんは、ユニットデビューには至らなかったものの、96人の参加者のうち、最終結果で16位にまで食い込んだ。高橋さんは19年1月掲載の「現代ビジネス」のインタビューで、「PRODUCE48」での経験をAKB48で生かす可能性について聞かれ、
「今後は......どうなるんですかね? 私は、ステージには立っていたい。けど、自分のやりたいこともやりたいです。でも、まだ諦めてないです。また韓国のステージに立ちたいから」
などとして、韓国にも活躍の場を広げたい意向を示していた。
高橋さんの劇場公演での説明によると、韓国の事務所が高橋さんの活躍を評価し、高橋さん側に韓国デビューを打診。高橋さんはAKBに対する感謝を述べながら、
「だからこそ私は今の自分じゃいけない」
「私は同じ場所ではなく挑戦し続けられる環境に行きたい」
などと決断の背景を説明した。
すでに韓国側の期待も高い。韓国経済新聞によると、高橋さんが所属することになる事務所は「PRODUCE48」に練習生4人を参加させ、そのうち2人が「IZ*ONE」としてデビュー。高橋さんは「PRODUCE48」で「キュートなルックスに成長する姿に注目が集まった」として、高橋さんの韓国デビューがどういった形になるのか「関心が集まっている」とした。韓国日報は、事務所関係者の
「立ち上げを準備中の新ガールグループのメンバーとして参加する予定で、近いうちにデビューする」
という話を伝えている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)