「泊まれる茶室」をコンセプトにしたカプセルホテルが2019年4月上旬、東京・日本橋人形町にオープンする。千利休が16世紀に生み出した茶室の傑作「待庵」を21世紀の現代に合わせて再解釈したという。
カプセルホテルという狭い空間を、茶室や禅の文化がもつ「ミニマリズム」(装飾的要素を最小限に切り詰めた簡素な形式)で魅力ある個室に仕上げており、ビジネスマンだけでなく、訪日外国人旅行者らの関心を呼びそうだ。
シングルルームで6000円から
このユニークなカプセルホテルはSEN(東京都中央区、各務太郎社長)が今春開設する「hotel zen tokyo(ホテル・ゼン・トーキョー)」だ。「無駄を削ぎ落としていく」という禅の思想を取り入れ、客室は茶室をイメージして設計されている。必要最小限のミニマルな空間ながら、天井高は2メートル以上あり、米発祥の高級ベッドメーカー「シモンズ」の寝具を採用。壁には日本画を飾るなど上質な和空間を目指している。
このほどマスコミ向けに開いた内覧会で、建築家でもある各務社長は「泊まれる茶室をコンセプトにした全く新しいカプセルホテルだ。茶室にある床の間や、にじり口などを21世紀型にアップデートしている。日本の伝統を未来に受け継ぎたい」と力を込めた。
ホテルにはシングルルーム、セミダブルルームのほか、シャワールーム、ビジネスマンらが仕事に使えるワークラウンジ、日本酒や日本産のリキュールを用いたカクテルなどが楽しめるバー・ラウンジもある。単に宿泊するだけのカプセルホテルではなく、「ゲストが部屋以外でも存分にくつろげる設計になっている」という。料金はシングルルームで6000円からを予定しており、「カプセルホテル以上、ビジネスホテル未満」の価格設定といえる。