旅行者は中国で「決済難民」に? 仕様変更で「チャージの抜け道も...」

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   支付宝(アリペイ、Alipay)や微信支付(ウィーチャットペイ、WeChat Pay)といったQRコードによる決済が普及している中国で、外国人旅行者がその恩恵から遠ざかる可能性が出てきた。

   QRコードで決済するアプリは、事前に一定の金額をチャージして使うことが多いが、そのためには中国の銀行口座が必要だ。これは日本人を含め海外からの旅行者にとっては至難の業だが、それでもWeChat Payについては、いくつかの「抜け道」を使ってチャージする人も多かった。だが、2019年2月末からは、こういった方法でもチャージができなくなったとの声が相次いでいる。WeChat Payは頻繁に仕様や規則が変わるため、この状態が一時的なものなのか、今後ずっと続くかは 見通せない状態だ。

  • 記者は2月27日にポケットチェンジからWeChat Payへのチャージに成功した。翌2月28日頃から異変を訴える声が相次いだ
    記者は2月27日にポケットチェンジからWeChat Payへのチャージに成功した。翌2月28日頃から異変を訴える声が相次いだ
  • 成田空港第2ターミナルに設置されているポケットチェンジの端末。WeChat Payにチャージする数少ない手段として知られてきた
    成田空港第2ターミナルに設置されているポケットチェンジの端末。WeChat Payにチャージする数少ない手段として知られてきた
  • 記者は2月27日にポケットチェンジからWeChat Payへのチャージに成功した。翌2月28日頃から異変を訴える声が相次いだ
  • 成田空港第2ターミナルに設置されているポケットチェンジの端末。WeChat Payにチャージする数少ない手段として知られてきた

チャージ成功から2日後に改めて申し込むと...

   WeChat Payは、日本でも利用が一般化してきた「LINE Pay」と同様、店舗のQRコードをスキャンしたり、スマホのQRコードを店員に見せたりして決済する。アプリをインストールする際にクレジットカードを登録するが、このクレジットカードからチャージすることはできない。チャージには、大きく(1)中国国内の銀行口座から送金する(2)すでにWeChat Payのアカウントを持っている人に現金を渡し、自分宛に送金してもらう(3)代行業者に依頼する、の3つの方法があるが、(1)と(2)は一般的な旅行者にはハードルが高く、(3)が現実的だとみられる。だが、この(3)にも異変が起きている。

   (3)のひとつが、「VPAYFAST」と呼ばれるウェブサイト。記者がクレジットカードや身分証明書を登録したところ、2月21日にクレジットカードからチャージに成功した。ところが、

   2月23日に改めてチャージを申し込んだところ、運営会社からチャットで「WeChatの新たな規則で、お金を受け取る前に中国本土の銀行カードと紐づけて認証しなければならなくなった」

   と連絡があった。中国の銀行カードを持っていないことを伝えると、

「Alipayに送金してもよろしいでしょうか」

と提案され、Alipayにチャージされた。ただ、2月末の中国滞在中、チャージされたAlipayで決済しようとすると、中国の銀行口座を入力するように求めるエラー画面が出た。結局Alipayで決済することはできず、チャージした金額は宙に浮いた状態だ。

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