お米バイヤーが語る「全袋検査」の苦労
平出真吾さんは福島のコメ農家の苦労を、丁寧に説明した
「福島フェア」では牛肉とあわせて、コメの販売も行われた。店頭に並ぶのは福島県産「ミルキークイーン」だ。クイーンズ伊勢丹でコメの仕入れ担当者を務めて3年目になる平出真吾さんは、2018年9月に産地を訪問。そこで、農家の人たちがコメの安全性のために努力している姿を目の当たりにした。
お米を5キロの袋に詰めた後、その1袋1袋を放射性物質の測定機に通して検査します。『全袋検査』です。他県よりも多く労力がかかっているわけです。生産者の方は高齢の方が多く、袋を検査機のベルトコンベヤーに乗せるのもひと苦労なんです。『そろそろ腰が......』とおっしゃる方もいます。それでも1袋1袋、真っ正直に取り組んでいるのです
牛肉と同様、全袋検査は福島県のコメ農家にとって、風評被害を払拭して「安全・安心」を証明するために欠かせない作業なのだ。
そんな苦労が実り、クイーンズ伊勢丹に並んだ福島県産「ミルキークイーン」。その味に、平出さんは、
ミルキークイーンは粘り気が強く、もっちりとした食感が楽しめます。また、冷めても味が落ちないので、ふつうに炊いて食べるのはもちろん、お弁当やおにぎりにも向いています
と、語る。
福島県産「ミルキークイーン」の味は、米どころの新潟県産にも負けていない
コメ市場は相次ぐ「ブランド米」の登場で大激戦。福島県産のミルキークイーンは、「今のところ、ネームバリューは新潟県産に差をつけられていますが、味はまったく遜色ないので、広めていけたらと思っています」と、自信をみせた。
フェアは、多くのお客様が福島牛やミルキークイーンを手に取られ、活気に満ちていた。 「よいものをお届けしたい」というバイヤーの想いは着実に届いている。