アメリカでは「トマトは果物か」裁判が
はっきり言うと、答えは「どちらともいえる」だ。農林水産省の公式サイトでは、「野菜と果物(果実)の分類については、はっきりした定義はありません」とのっけから断言している。
そのうえで、生産分野では、
(1)田畑に栽培されること(栽培されていない山菜などは野菜と区別することが多い)
(2)副食物であること
(3)加工を前提としないこと(こんにゃくのような加工を前提とするものは野菜としていない。漬物のように原料形質がはっきり残っているものや家庭における簡易加工は加工に含まない)
(4)草本性であること
を野菜の定義としている。果物の区別にしぼって言えば、要するに「木か草か」。この理屈で言えば、確かにトマト、そしてフルーツトマトは野菜になるだろう。しかし、するといちごやメロン、スイカといった、一般には「果物」と扱われるものも「野菜」になってしまう。これらは、「果実的な利用をすることから果実的野菜として扱っています」というが......。
そもそもこれは農水省での基準であり、ほかにも複数の線引きが存在する。
米国では、トマトは野菜か果物か裁判にもなった。関税をめぐり、両者の扱いが異なったことから、輸入業者が「トマトは果物だ!」と訴えたものだ。結局、1893年に連邦最高裁が「トマトは野菜」と判決を下している。理由の一つとして挙げられたのが、「一般のフルーツのようにデザートとして(食べられるもの)ではない」(日経プラスワン、2007年6月30日)。