「日本語ディベート」初の国際大会が台湾で 多国籍学生が熱く論戦

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   日本語人気が高い台湾で、様々な国や地域から集まった大学生による日本語のディベート大会が開かれた。これまでも、台湾や中国、韓国で日本語によるディベート大会が開かれたことはあったが、主催者によると、日本語による「国際大会」が開かれるのは初めて。

   多国籍混成チームに分かれて死刑制度の存廃の是非に関する議論を準備し、熱い論戦を展開した。

  • 日本、台湾、韓国、中国から集まった大学生が論戦を展開した
    日本、台湾、韓国、中国から集まった大学生が論戦を展開した
  • 日本、台湾、韓国、中国から集まった大学生が論戦を展開した

日本、台湾、韓国、中国の大学生がグループワークで議論を準備

   「ディベート」とは、大きく(1)「論題」と呼ばれるテーマの是非をめぐり(2)「肯定」と「否定」の2つの立場にランダムで分かれて(3)「フォーマット」と呼ばれる発言の順番や時間に従って自分の立場の優位性を主張し(4)審判がどちらの議論が優れていたかを判定する、という競技。今回の大会の論題は「日本は死刑制度を廃止するべきである。是か否か」。たびたび大学生や中高生の大会で登場する「定番論題」だ。

   大会には、日本、台湾、韓国、中国から約50人が参加。会場になった交通大学(新竹市)は、台湾有数の名門理工大学として知られる。2019年2月28日に6~7人によるチームが結成され、丸2日をかけて試合の準備を進めた。3月2日に行われた実際の試合では、参加した8チームのうち、予選を勝ち抜いた2チームが決勝戦に進出した。

   決勝戦では、両チームとも日本人は「後方支援」にまわり、ネイティブでない人のみが出場。肯定側のチームは死刑廃止論者として知られた元最高裁判事・東大名誉教授の団藤重光氏の著作などを論拠に、死刑廃止によって(1)確定死刑囚の生命権の保障(2)死刑冤罪の防止、が実現できると主張。否定側は、抑止力が低下して犯罪が増加する、などと統計資料を引用しながら訴えた。両チームとも、自説が相手の主張と比べてどういった点で勝っているかについての主張に苦戦し、4人いる審判の判定は割れた。

最優秀選手は韓国の学生

   そのうち、九州大学大学院学術研究員の久保健治さん(37)は、こういった比較の議論は「日本人でも、ほとんどの人ができない」と指摘した上で、

「逆に言えば、それだけ皆さんが外国語としての日本語を使いこなして、日本人ですら難しい議論ができるようになっていた、ということ。これは大いに自信を持っていい。誇りを持っていただきたい」

などと健闘をたたえた。

   決勝は、観客の投票で優勢だった肯定側のチームが勝利。日本語学習者からベストディベーター(最優秀選手)に選ばれた釜山外国語大学の金度完(キム・ドワン)さん(22)は、

「受賞はチームメイトのおかげ。予選ではうまくいかないところがあったが、日本人の仲間が信頼してくれて決勝戦に出場できたのが嬉しかった。準備のときは、台湾人の仲間の頭の回転の早さには驚かされた。良い経験、勉強になった」

と笑顔を見せた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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