方針転換の裏には「若手の動揺」
都民ファーストの方針転換の裏には、「都民の反発を恐れる若手が強硬突破に難色を示した」(議会関係者)ことがあったと言われる。選挙基盤が弱い若手が動揺したということだ。
再開発素案は26日の代表質問でも早速取り上げられた。自民の吉原修幹事長らは「何の説明もせずにこのような方針(素案)を発表することで、やすやすと都民、事業者への約束をほごにした」と追及。小池知事は「豊洲との近接性を考えれば、築地再開発において都が改めて卸売市場を整備することはない」としつつ、「(築地に)『食文化』は重要な要素。素案でも歴史的、文化的なストックを生かすことを検討している」と説明。「基本方針の方向性は変わっていない」と強調した。
5600億円で一般会計に移すことについても自民や共産が知事の見解をただしたが、「一般会計への移し替えにいち早く着手することで、民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限引き出すことができる」などと答弁し、「方針転換」との指摘を突っぱねた。
代表質問は、いわば双方が言いっ放しの場だが、委員会質疑は国会の予算委員会のように、細かい点も含めて野党が厳しく追及してくるのは確実で、小池知事が野党の攻勢をかわせるかが焦点になる。