22歳の若さで亡くなった人気ユーチューバーグループ「アバンティーズ」のエイジさんをしのぶ「お別れの会」で、20代半ばという男性が奇声を発しながらニコニコ生放送で実況中継し、ネット上で疑問や批判が相次いでいる。
「エイジ、今までありがとう!」。男性は、2019年2月27日に東京都内で開かれたお別れの会で、遺影が飾られた祭壇に近付くと、いきなりこう大声を上げ、さらに絶叫を続けた。
「『撮影を遠慮して』ということは、やっていいこと」
「サイパン島の浅瀬から荒波に乗って、アバンティーズ・エイジ参上! どりゃあ~! よみが~え~れ~! 鮮やかに」
エイジさんは1月1日、休暇旅行先のサイパンで高波にさらわれて亡くなっている。
奇声を上げた男性に対し、会場のスタッフが「撮影は禁止させていただいていますので」と制止した。事前に会場内の録音や録画、撮影は一切禁止と告知しているからだ。男性は、「『遠慮』ということは、やっていいことじゃないですか」と食い下がったが、スタッフが協力を要請すると、いったんは表立った動画配信は止めたようだ。
しかし、再び配信を始め、スタッフに制止されると、「もう別に動画撮ってないんで」と反論した。その後も、配信を行い、ロビーの様子を映したうえで、また大声で「銀河の果てから...」などと何かを叫び始めた。
かなり響く声だったためか、その後、「ちょっと、やばやばやば。やべ~」などとつぶやいていた。
驚いた来場者も多かったらしく、ツイッター上では、「なんか叫んでる人いた」「ルールぐらい守ってや...」などと批判が相次いでいた。
男性のニコ生コミュニティには、1000人ほどが登録しており、この動画では、見た人のコメントが次々に流れた。「こいつ最悪」「まずい」との声もあったものの、「よくやった」「お前はまだやれる」「ナンバーワンだ」などとはやす声も書き込まれていた。
「他者への迷惑行為」など理由に、ニコ生コミュニティが削除
ニコ生主の男性は、2018年末にコミュニティを開設し、路上で歌ったり踊ったりするなど様々な活動の動画配信をしていた。奇声を上げながら横断歩道を渡ったり、不審な言動で警察から職務質問を受けたりする様子も流していた。
しかし、この騒動で、「不謹慎すぎ」「マナー違反を超えてますよ」といった非難が相次いで炎上状態になり、男性のコミュニティは、2月28日までに運営会社によって削除された。
今回の動画は、「他者への迷惑行為」の利用規約違反とされ、ほかの複数の動画も「いたずら電話」などの違反が指摘されており、違反の繰り返しが削除の理由になっている。今後もこうした違反が続けば、サービスの利用停止になるとも警告されていた。次々に違反が見つかったのは、運営会社に視聴者から通報が相次いだからではないかとみる向きもある。
エイジさんのお別れの会は、中高生ら約6800人ものファンが来場して献花するなどしており、当日は長い行列ができたほどだ。来場できないファンのために立ち上げられた特設サイトにも、3月1日夕までに7万件以上ものメッセージが寄せられている。
J-CASTニュースでは、エイジさんの所属事務所で、お別れの会を主催したUUUM(ウーム)の広報担当者に取材を申し込んだが、同日夕までに回答は得られなかった。ニコ生主の男性は、ツイッターを通じての取材申し込みに対し、拒否反応を示している。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)