国際政治学者の舛添要一氏(70)が2019年2月28日夕方にツイッターを更新。合意に至らないまま終了した米朝首脳会談について自らの考えを述べた。
首脳会談2日目となる28日の昼過ぎ、舛添氏はツイッターで、米国のドナルド・トランプ大統領と北朝鮮・金正恩党委員長の27日の対話に触れ、「会談冒頭のトランプと金正恩とのやりとりは、メディア向けの外交儀礼的な『きれい事』発言にすぎない。午後の会議でどこまで実質的な議論ができるか」とツイート。首脳会談が予断を許さない状況であるとの見方を早くも示していた。
「外交の常識では考えられない」と驚き
結局、両者は予定していた合意文書への署名を行わないまま会談を終了。事実上「決裂」した形となった。
トランプ大統領による単独記者会見が始まった16時過ぎ、舛添氏はホワイトハウスの公式発表を引用しつつ、「先ほど、ホワイトハウスは、『非核化などで合意に至らず』と発表した。変な妥協をせずによかったと思う」との見方を示した。加えて、16時30分には、
「金正恩委員長から制裁の全面解除を要求されたが、それをアメリカ側が拒否したので、合意に達しなかったという。ただ北朝鮮との良好な関係は維持するという。こんな結果になるとは、事務的な事前折衝は十分だったのか。外交の常識では考えられない」
と、国際政治学者としての分析を披露した。
また、その直後には、
「まだ記者会見が続いているが、トランプ大統領は、寧辺の核施設廃棄だけでは十分ではないと考えたので、合意しなかったと言う。要するに、双方の最終的目標をぶつけ合っただけで、段階的にそこに至る方法を見つけることができなかったのである。これは失敗である」
と、会談が失敗したとの見方も示している。
「合意なし」というまさかの結果に終わった米朝首脳会談について、「変な妥協をせずによかったと思う」としつつも、「外交の常識では考えられない」「これは失敗である」と評した舛添氏。国際政治学者としても、今回の結果は驚きの結末だったのだろう。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)