文献は残っていないが業界では広く知られてきた
日本人形協会の倉片順司副会長は28日、J-CASTニュースの取材に、
「ひな人形を娘に譲るのはNGというほど強くはない。飾ってはダメだと言いたいわけではなく、飾ることの意味を知ってほしかった。ストレートに伝えると(メディアに)取り上げてもらえないためちょっと強めに表現してしまった」
と話す。
倉片氏によれば、ひな人形には厄を封じこめて子どもの無病息災を祈るのに加え、将来結婚して幸せになってほしいと願う目的がある。そのため男女一対となっており、おひな様(女雛)は子供の結婚姿を、おとの様(男雛)は夫を表す。「幸せのために飾る人形を母親の厄を持ったまま純粋無垢のお子さんに与えてしまうと、厄が入ったままで、将来の旦那さんも変わってしまう」(倉片氏)
現代のひな人形の形が生まれたのは江戸時代で、文献は残っていないという。しかし、業界では常識でかつては広く知られていたものの、「現代になって核家族化が進んだため家族内で伝わらなくなってしまった」。
倉片氏は「古くから伝わる日本の文化なので、本当の意味を知ってほしい」と訴える。